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細胞検査士とは?仕事内容と資格取得方法についてご紹介

がん細胞の発見等において、欠かすことのできない職業が「細胞検査士」です。その活躍の場は非常に多く、大学病院やがんセンターで多くの細胞検査士が業務を行っています。

あまり聞き慣れない細胞検査士とは、どのような仕事を行っているのでしょうか。今回は細胞検査士の仕事内容や資格取得の方法についてわかりやすくご紹介いたします。

細胞検査士とは?

細胞検査士とは、病院をはじめとする医療機関で「細胞病理検査」を主な仕事とする医療専門職です。

細胞病理検査とは、医師が採取した人体の細胞の一部を顕微鏡で観察し、がん細胞等の異常細胞を早期に発見することを目的としています。

この職業には世界中で行われており、日本では約6000人が学会認定の細胞検査士免許を持っています。また、細胞検査士の多くが国際免許も持ち、海外でも活躍しています。

他にも標本の作製や保存といった業務も、細胞検査士が行います。

細胞検査士の仕事内容は?

細胞検査士の仕事内容は責任が重く、多岐に渡ります。ここでは細胞検査士の仕事内容を詳しく、ケース別に分けてご紹介いたします。

検査作業【標本作製・がん細胞等のスクリーニング作業】

細胞検査士が携わる最も多くの業務が、この検査作業です。この検査作業では、最初に「標本作製」と呼ばれる作業を行う必要があります。

ここで、細胞検査士はスライドガラスに医師が採取した病変部分を付着させる「塗抹」、細胞の変成や融解などの変化を停止させる「固定」、細胞診用の染色液で染めて異常細胞をわかりやすくする「染色」、より良い状態で保存する「封入」等の「検体処理」と呼ばれる作業を行って標本を作製します。さらに、完成した標本を観察する「スクリーニング」と呼ばれる検査作業が行われ、がん細胞や異形成細胞を探し出します。

細胞を観察し報告書を作成する

上記でも簡単にご紹介したように、がん細胞や異形成細胞を発見するためには、顕微鏡を使用した観察作業が不可欠です。この作業も細胞検査士が担う大きな仕事の一つで、この作業には微細な異常も察知する高い注意力が必要とされます。

また、観察で得た結果は全て詳細に報告書へ記載する必要があり、その作成も細胞検査士が行う仕事の一つです。

ケース1:乳がんの場合

近年では乳がんの増加が大きな問題になっています。乳房にしこりがあり、乳がん検診で異常があると認められると、その部分に注射器の針を刺して細胞を吸い取り(穿刺吸引細胞診)、それをスライドガラスに塗りつけて調べます。

乳腺の他にも甲状腺や唾液腺、リンパ節等でも検査が行われます。

乳がんは、よく耳にすることのある「ステージ」で表されます。がんの広がり具合やリンパ節、他の臓器への転移の有無といった指標を組み合わせながら、0期~Ⅳ期の5段階で表します。

ステージが確定すると、各ステージに合わせた乳がんの治療が始まります。どのステージなのかを判断する要素として、細胞検査士が行う細胞病理検査が活用されます。

ケース2:子宮頸がんの場合

子宮頸がんは「ヒト・パイローマウィルス(HPV)」と呼ばれるウィルスが原因であることがわかっています。HPVに感染するすると、細胞の形が変化し、異形成細胞として細胞病理検査で発見することができます。

子宮頸がん検診は、婦人科医が子宮内部の細胞を採取具でこすり取ります。こすり取った細胞はスライドガラスに塗りつけられ、細胞診用の染色液で染めた後顕微鏡で調べます。

異形成細胞や表面だけのがん(上皮内がん)で見つかれば、子宮頸部の表面を削り取る、またはレーザーで焼き取って子宮を残すことが可能です。しかし、表面の下の組織まで広がっていると、手術で子宮を摘出しなくてはなりません、その判断基準も、細胞検査士が行う細胞病理検査が重要な鍵となります。

細胞検査士になるには?受験資格や試験についてご紹介

細胞検査士になるには、どのような資格や試験を受ける必要があるのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。ここでは、受験資格や試験内容について簡単にご紹介いたします。

詳細については「公益社団法人日本臨床細胞学会」のHPもご参照下さい。

(参考:第55回細胞検査士資格認定試験 受験者募集|日本臨床細胞学会

「細胞検査士資格認定試験」に合格する必要がある

細胞検査士として働くためには、まずは認定試験を受けなければなりません。この試験は「公益社団法人日本臨床細胞学会」が主催している試験で、毎年10月~12月にかけて第一次試験と第二次試験が実施されています。

資格の有効期限は5年で、所定の単位を取得した上で、5年ごとに資格更新の審査を受けることが必要となります。合格率は2021年で64.4%、2020年で60.9%と、約半数以上が合格しています。

(参考:細胞検査士|日本資格取得支援

認定試験の資格を得るには?

上記でご紹介した認定試験は誰でも受けられるものではなく、受験資格を満たした人しか受験することができません。具体的には以下の条件が必要となります。

 
※臨床検査技師または衛生検査技師の資格取得+細胞診検査実務に1年以上従事した者

※臨床検査技師または衛生検査技師の資格を所有+細胞診技術者養成機関卒業見込み・卒業者

※4年制大学で日本臨床細胞学会が認定した細胞検査士養成課程修了者であり、大学卒業見込み者または卒業者。もしくは該当する課程の修了者であり、臨床検査技師か衛生検査技師いずれかの資格を取得した者

受験時には養成機関を卒業したことや卒業見込みであることを証明する書類を提出する必要があります。

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弊社は細胞病理検査を含んだ病理学検査を主に行う検査センター(大阪市登録衛生検査所第40号)です。

病医院様からの検査委託を始め、大学及び企業の研究施設等からの様々なご要望に対し、経験豊富なスタッフがフレキシブルに対応いたします。また、淀屋橋クアトロアールクリニックと連携しておりますので、連携病理診断や術中迅速病理診断もご利用いただけます。

細胞病理検査を含んだ病理学検査のことなら、ぜひ弊社大阪パソロジーセンターにご相談下さい。

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