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オンコロジーとは?病理と関連が深い腫瘍学についてご紹介

「オンコロジー(腫瘍学)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。腫瘍やがんに非常に深く関わる学問の言葉で、これがなければがんに関することは何一つ解明できないとまでいえる重要なジャンルです。

そこで、今回はあまり知られていない、オンコロジーに関する詳細や、病理診断とどんな関係があるのかについてまで、幅広くご紹介いたします。

 

オンコロジーとは?

オンコロジー(Oncology)は日本語で「腫瘍学」と呼ばれるもので、ガンに関する研究や診断、治療、予防の専門分野です。がんは異常な細胞の増殖と腫瘍の形成を特徴とする疾患であり、胃がん、大腸がん、咽頭がん、子宮がん、乳がん等様々な種類と進行段階があります。がん専門医のことを「オンコロジスト」と呼び、がんのプロセスを深く理解し、患者に対する最適な治療法を提供するために、専門的な知識とスキルを持つがんのエキスパートです。

オンコロジーには様々な側面を持ちます。以下に、その側面について詳しくご紹介いたします。

 

がんの「原因」について知る

  • 遺伝的要因…一部のがんは遺伝的要因があり、遺伝子の変異に関連しています。家族の既往歴や遺伝子検査を通じて、がんのリスクを調べることができます。
  • 環境要因…がんには環境的な要因も含まれます。代表的なものには、喫煙や紫外線、有害な化学物質、大量の放射線等も、がんの発生に関係している可能性があります。
  • ウィルス感染…ヒトパピローマウィルス、ヘリコバクター・ピロリ菌、B型・C型肝炎ウィルスはがんの原因となることがあります。

 

がんの「診断」について知る

  • 画像診断…X線やCTスキャン、MRI、PETスキャン等の画像検査が、がんの位置や進行度を調べるのに役立ちます。
  • 生検…病変の一部を採って、顕微鏡で詳しく調べる検査です。生検には、針を使う針生検、内視鏡による生検、手術で切り取った病変部位を調べる手術生検等が含まれます。
  • 血液検査…特定の腫瘍マーカーや血液中の以上を検出するために、血液検査が行われることがあります。

 

がんの「治療」について知る

  • 手術…腫瘍を直接切除する手術は、初期のがん治療の一部として行われます。
  • 放射線治療法…放射線を照射することによって、がん細胞の遺伝子にダメージを与え、がん細胞を壊す治療法です。正常な細胞も同時にダメージを受けますが、がん細胞とは異なり自己修復が可能です。
  • 化学療法…抗がん剤を用いてがんを治療していきます。抗がん剤には、がん細胞の増殖を抑える、あるいは再発や転移を防ぐ効果があります。手術や放射線治療法ががんに対する直接的、局所的な治療であるのに対し、化学療法はより広範囲に治療の効果を及ぼすことができます。
  • 免疫療法…人には、本来細菌やウィルス等の「異物」が身体に入ってくるのを防いだり、排除したりする力を持っています。その力を「免疫」と呼び、その力を利用してがんを攻撃する治療法を免疫療法と呼びます。ほとんどの場合、T細胞ががんを攻撃する力を保つ、あるいは攻撃する力を強めることによって、がん細胞を攻撃します。
  • 分子標的療法…がん遺伝子により作られるタンパク質等を標的として、その働きを抑えたり、がん周囲の環境を整える因子を標的にして、がん細胞が増殖しにくい環境を整える治療法です。

分子標的療法はがん細胞だけをピンポイントで狙い撃ちするため、大きな副作用を出さずにがんを抑える効果が期待されていましたが、ある程度の副作用は出てしまうことがわかってきています。

 

がんの「予防」について知る

  • ワクチン…ヒトパピローマウィルスワクチン等が、がんの予防に効果的とされています。
  • 生活習慣の改善…喫煙や飲酒等をある程度制限し、健康的な食事や運動、ストレス管理を行うことが、がんのリスクを減少させるのに役立つといわれています。

 

「臨床試験」を実施する

新しい治療法や薬剤の効果、安全性等を調べるために、患者の了承を得た上で臨床試験が実施されます。

患者はこれらの試験に参加することで、最新の治療法を試せるというメリットがあります。

 

「精密医療(プレシジョン・メディシン)」を設計する

「精密医療」とは、「それぞれの患者個々人に合った最適な治療を行う医療」のことを指します。しかし、「患者個々人に合った治療を選ぶ」ことは非常に難しいことでもあります。患者は一人一人体質が異なり、同じ臓器のがんでも患者によって原因となる遺伝子異常が違う場合も多いのです。

そこで、高速かつ安価に遺伝子を解析できる機器を使用し、遺伝子に基づいた治療を行っていくことも、オンコロジーの1つとされています。

 

患者の「サポートとケア」を行う

がん患者とその家族に対する心理的、社会的、栄養的なサポートを提供し、生活の質(Quality of life=QOL)を向上させるのに役立ちます。

 

このように、オンコロジーはがん患者の生存率や生活の質を向上させるための新たなアプローチ法が常に開発されています。がんに対する早期診断はもちろん、最新の治療法へのアクセスは、がん患者の治療と生活において極めて重要な要素なのです。

 

がんの「確定診断」になる病理診断は、オンコロジーにとっても重要です

病理診断とオンコロジーは、がんの診断や予後評価、治療計画の策定等において密接な関係があります。まず、病理診断はがんの診断の基礎です。患者から採取された生検組織やサンプルを病理医が詳細に観察することで、がん細胞の発見や特徴の確認ができます。また、病理診断はがんの進行度を調べるのにも役立ち、がんが周囲の組織やリンパ節に広がっているかどうかを判断し、いわゆる「ステージ判断」を行います。ステージ判断は、治療計画の指針となるため、重要な判断材料です。

このように、がんの「確定診断」にもなる病理診断は、オンコロジーにとっても重要な要素となります。

 

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