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細胞診はがん検診だけじゃない!細胞診でわかる感染症をご紹介

細胞診はがん検診だけじゃない!細胞診でわかる感染症

細胞診と聞くと「がんに多く使われる」というイメージが持たれていますが、実はがんの診断以外にも多くの疾患に対して細胞診は活用されています。どのような疾患で細胞診が利用されているのか、今回は、細胞診に使われる細胞の採取方法と細胞診でわかる感染症について、詳しくご紹介いたします。

細胞診に使われる細胞の採取方法は?

細胞診に使われる細胞の採取方法は複数あります。ここでは細胞診に使われる細胞の採取方法について、詳しくご紹介いたします。

剥離細胞診

ある特定の組織から剥離した細胞のことを指します。痰や尿、乳汁、胸水、腹水など液体のものが比較的多く、細胞の状態を観察して疾患の診断に役立てます。

穿刺吸引細胞診

病変部分に細い針を刺して細胞を吸引し、採取できた細胞を顕微鏡で観察する方法です。「吸引ピストル」と呼ばれる注射のような機器を使って細胞を採取し、注射針からプレパラートに吹き出して固定液(エタノール)に入れて保管後観察します。
主に乳腺や甲状腺、リンパ節、肝臓、脾臓、唾液腺などに使われます。

擦過細胞診

病変部の表面部分を綿棒やブラシなどで擦る(擦過)ことにより、細胞を採取する方法です。擦過して細胞を採取したあとはプレパラートに塗布した後、固定液に入れて保管後観察します。
主に気管支や子宮、口腔、胆管、尿道などに使われます。

捺印細胞診

手術などで採取した病変部組織の断面をスライドガラスに捺印するように押しつけ、細胞を貼り付ける方法です。メスなどで組織を半分に割ったあと、プレパラートにスタンプして固定液に入れ保管後観察します。主にリンパ節や乳腺腫瘤、皮下腫瘤などに使われます。

細胞診でわかる感染症を解説

ここまで、細胞診で使用する細胞の採取方法についてご紹介してきました。では、細胞診でわかる感染症には、どのようなものがあるのでしょうか。ここからは、細胞診でわかる感染症について、詳しくご紹介いたします。

細菌性肺炎

痰の細胞診で発見できることの多い感染症です。肺炎自体は「風邪をこじらせる」程度でもなりますが、日本人の死亡原因として第3位になっているほど患者は多く、特に75歳以上の高齢者になると、細菌性肺炎が致命傷になることも多くあります。他にも、インフルエンザなどの感染症により弱った気管支や肺の粘膜に細菌が落下、付着して発症することもあります。
せきや痰、発熱の他にも、倦怠感や食欲不振、胸痛などの症状が見られたら要注意です。効果的な予防法は肺炎球菌ワクチンの接種や、普段のうがい手洗い、健康管理が非常に重要になってきます。

結核

細菌性肺炎と同じく、痰の細胞診で発見できる感染症です。結核菌に感染していると、1mlの中に1万単位の菌が確認できるため、非常にわかりやすい疾患の1つです。
結核菌に感染すると、最初は肺炎のような炎症が起こり、次に化膿のような、組織が死んで腐った状態になります。レントゲンに写る大半の結核の肺はこの状態で、肺に穴が開いたような状態で見えます。

さらに菌がリンパや血液の流れに乗って全身に広がっていくと、呼吸困難や臓器不全の症状を起こしてしまいます。
日本では生後1歳までに結核のワクチンである「BCG接種」が推奨されているため、比較的患者は少ないものの、全くいないわけではありません。結核の疑いが出た場合は、早期に検査した上で抗結核薬を投与するなど、スピード感のある処置が求められます。

膣クラミジア症

膣への擦過細胞診で発見できる感染症です。クラミジア・トラコマティスと呼ばれる細菌による感染症で、15~24歳の若い女性が感染の中心になっています。基本的には性行為による感染ですが、免疫不全などで感染してしまうことや感染経路が判明しないこともあります。

また、自覚症状がほとんどないのも膣クラミジア症の特徴です。まれに性器部分のかゆみやおりものの異常な増加、下腹部痛などが見られることもありますが、全体の2割程度です。そのため、予防が非常に重要となります。クラミジア症は粘膜の接触により発症しますので、避妊具(コンドーム)の使用は予防に効果的です。

膀胱炎

尿の剥離細胞診で発見できる感染症です。膀胱の中で細菌が繁殖し、膀胱の粘膜に炎症を起こします。女性の患者が圧倒的に多く、非常にポピュラーな疾患です。
なぜ女性が多いかというと、肛門や膣、尿道の「近さ」にあります。女性の場合は肛門にいる大腸菌などが膣に動き、そこから尿道や膀胱へと侵入します。

また、女性は男性に比べて尿道の長さが短く、細菌が膀胱内に侵入しやすくなっているのも、女性が多い原因です。
治療は抗菌薬で行います。また、陰部を清潔に保つ、トイレを我慢しない、身体の免疫力を落とさないことが、膀胱炎の予防となります。

口腔カンジタ症

口腔内への擦過細胞診で発見できる感染症です。カンジタ・アルビカンスと呼ばれる真菌(カビの一種)によって起こる感染症です。感染すると口腔内における粘膜の痛み、さらには味覚障害が出ることもあります。
カンジタ菌は常在菌の一種で、普段は他の菌と口腔内で共存しています。しかし、免疫疾患や糖尿病などで免疫力が低下している場合、常在菌のバランスが崩れてカンジタ菌が異常増殖して発症します。
治療は抗真菌薬の効果を持つうがい薬や塗り薬で対処します。

予防としては、口腔内を清潔に保つ、乾燥させない、口腔粘膜を傷つけないといった予防策があります。

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