Just another WordPress site

確定診断とは?病気の検査に欠かせない病理診断

医療の世界で「確定診断」は非常に重要です。疾患がどのようなものかを確定し、患者に告知することにより、今後の治療やリハビリテーション等、適切な治療方法にもつなげていきます。

その確定診断に「病理診断」は欠かせません。確定診断と病理診断は、似ているような用語で全く違うものです。

では、どのような違いがあるのでしょうか。今回は確定診断についての詳細と、病理診断がどのようなものなのかについて、詳しくご紹介いたします。

 

医療における「確定診断」とは?

「確定診断」とは、患者の病気や病状を正確に特定し、「病名」を公表して診断することを指します。

これは、患者の症状や臨床所見、検査結果等の情報を総合的に考慮し、疾患を特定するものです。

確定診断は、医師や医療従事者が患者の状態を適切に判断、治療し、管理するために非常に重要な要素です。また、診断は必ず正確でなければならず、誤診は患者の安全性や命に直接関わります。そのため、確定診断を行う際には臨床診断の他にも病理診断が行われ、科学的な方法論に基づいて行われます。

 

確定診断を行うためのステップ

 

上記でご紹介したように、確定診断は簡単にできるものではなく、複数のステップを踏んで確実な過程と結果につなげていく必要があります。ここでは確定診断を行うためのステップについて、簡単にご紹介いたします。

 

ステップ1.臨床診断

患者の病歴を収集し、症状を詳しく尋ねた上で、医師が触診や視診、聴診等を行って得た情報から「おそらくこの病気であろう」という推測の病名を出します。これを「臨床診断」と呼びます。

この臨床診断はあくまでも、初期の仮説や診断の手がかりに過ぎず、ここで確定診断が下りることはありません。

 

ステップ2.検査

患者に対して必要な検査を行います。これには、血液検査や画像検査(X線、CTスキャン、MRI等)、さらには病理診断が行われます。これらの検査結果は、診断の確定に必要な情報となります。

 

ステップ3.確定診断

上記の臨床診断や検査結果を組み合わせ、最終的な診断を導き出し、患者に告知します。この工程は非常に患者・医療従事者にとって重要で、専門知識を持つ医師や病理医等と共に行われ、診断が確実かつ正確であることを保証しなければなりません。

確定診断が行われたら、いよいよ本格的な治療の開始です。医療チームは適切な治療計画を立て、患者に対して最善の治療法を提案・提供します。

 

確定診断を行うために必要な「病理診断」とは?

病理診断は、患者の身体より採取された病変の組織や細胞から顕微鏡用のガラス標本を作り、観察して診断します。この病理診断を専門とする医師が「病理医」です。

病理診断には、主に以下のようなものがあります。

  • 細胞診断
  • 生検組織診断
  • 手術で摘出された臓器・組織の診断

どのような診断なのか、以下の項目で詳しくご紹介いたします。

 

細胞診断

肺がんや膀胱がん等では、痰や尿の中にがん細胞が混じることがあります。そのような排泄物を顕微鏡で調べ、がん細胞がいるかどうかを調べるのが細胞診断(細胞診)です。他にも、子宮がん検診では、子宮頸部から細胞をこすり取って調べたり、喉や乳房にしこりがあると、細い針を刺して吸引し、取れた細胞の中にがん細胞がいるかどうかを調べることもあります。

細胞診断はその箇所によって、採取の方法が異なるのが特徴です。

 

生検組織診断

治療方針を決めるために、胃や大腸、肺の内視鏡検査を行った際に、病変の一部をつまみ採る、あるいは皮膚などにできものができた際にその一部をメスで切り取る等して、病変の一部を標本にして観察します。この検査を生検組織診断(生検)と呼び、確定診断にも活かされます。

 

手術で摘出された臓器・組織の診断

手術で摘出された臓器や組織は、病理医が肉眼で病変の部位や大きさ、性質、広がり具合を確認し、診断に必要な部分を必要な数だけ切り取ります。この作業は国家資格を持つ臨床検査技師が行います。その後、病理医が標本を顕微鏡で観察し、どのような病変がどの程度進行しているのか、手術で全て取り切れているのか、さらには追加治療が必要かどうか等、手術後の治療方針の決定に役立つ情報を臨床医に提供します。

 

病理診断は確定診断に欠かせない要素の1つです

病理診断は「最終診断」と呼ばれているほど、確定診断に欠かせない要素です。現代の医療診断技術は目覚ましい進歩を遂げており、様々な診断手法を用いると、およそ90%の確率で診断ができます。

しかし、内科や泌尿器科、婦人科等の臨床医が患者の診察や検査を行って疾患の可能性を疑っても、病理診断がなければ100%とはなりません。また、臨床医が疾患を疑っていなくても、病理診断で疾患が確定されればそれが最終診断=確定診断となります。

また、確定診断以外にも、外科的治療がなされた際には病気の程度や広がり具合等非常に細かな情報が必要となります。この情報は病理診断以外では得られず、病理診断がなされて初めて最終診断となります。

陰で医療を支え続けているのが、病理医であり、病理診断なのです。

 

病理診断のご依頼を承ります!弊社リバース大阪パソロジーセンターにご相談下さい

弊社リバース大阪パソロジーセンターは、病理学的検査を主に行う検査センター(大阪市登録衛生検査所第40号)です。今回ご紹介したように、病理学とは、人体から採取された組織や細胞を、肉眼・顕微鏡で観察することで、病気の原因や予後の推定、治療効果の判定を行う検査です。

弊社では、細胞診、組織診、さらには術中迅速組織診にも対応しております。

また、昨今の病理医不足に対応するため、保健医療機関「淀屋橋クアトロアールクリニック」との連携により、連携病理診断も可能としております。

病理診断のご依頼なら、ぜひ弊社リバース大阪パソロジーセンターにご相談下さい

関連記事
病理診断の最先端!病理診断領域のAIプログラムについて
内視鏡検査における病理検査の目的や実施の流れ