G6PD欠損症検査と病理診断は株式会社リバース https://ropc.jp/column Just another WordPress site Sun, 04 Aug 2024 08:31:03 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.5.15 凍結標本とは?実施の方法やメリットについて解説 https://ropc.jp/column/frozen-specimen/ Thu, 04 Jul 2024 08:26:43 +0000 https://ropc.jp/column/?p=184 病理学的検査の手法の1つとして「凍結標本」と呼ばれる作製法があります。ドライアイス等を用いて検体を凍結させ、できるだけ構造や性質をそのままの状態で保存して観察・診断可能な方法です。 では、具体的にどのような方法で行ってい...

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病理学的検査の手法の1つとして「凍結標本」と呼ばれる作製法があります。ドライアイス等を用いて検体を凍結させ、できるだけ構造や性質をそのままの状態で保存して観察・診断可能な方法です。

では、具体的にどのような方法で行っていくのでしょうか。今回は、凍結標本についての詳細やメリット、方法をご紹介いたします。

凍結標本とは?

凍結標本とは、生物組織や細胞を低温で凍結させた状態で保存する標本のことを指します。この方法は、細胞や組織の構造や科学的性質をほぼそのままの状態で保存できるため、研究や診断に広く利用されています。

凍結標本の主な用途についてご紹介いたします。

病理学的診断

凍結標本は、迅速な病理診断を行うために使われます。手術中に腫瘍等の組織を取り出し、即座に凍結させて切片を作成し、顕微鏡で観察することで、外科医は手術中に腫瘍の性質や境界を判断することが可能です。

組織学的研究

組織の構造や細胞の詳細な観察のために凍結標本が用いられます。染色技術を用いて特定の細胞成分や構造を視覚化した上で研究が可能となります。

分子生物学的研究

凍結標本は、DNA、RNA、タンパク質等の分子を解析するためにも使用されます。凍結保存することで、これらの分子の分解を防げます。

凍結標本のメリットは?

凍結標本のメリットとしては、高い熱やアルコール、有機溶媒に暴露されないため、特に酸素やタンパクアミノ酸等の組織科学的な検出に優れます。

また、脂肪染色が可能であること、電子顕微鏡を使っての免疫組織科学染色の局在観察をすることができるという点もメリットです。

他にも「抗原性の保持」という点において、パラフィン切片に比べて凍結切片法の方が優れている、試料を凍結させてミクロトームで素早く切り出せるというメリットもあげられます。 

凍結標本の作製について解説

様々な用途に使用される凍結標本ですが、作製の手順も一般的な生検の標本作製とは異なります。

その具体的な手順についてご紹介いたします。

手順1.ドライアイス・イソペンタンの準備

発砲スチロール製保冷箱に金槌で適当に割ったドライアイス(-79℃)を入れ、イソペンタンを入れたビーカーを置いて約30分冷却します。イソペンタンが冷えたらビーカーの中にも小さく割ったドライアイスを入れて低温を保ちましょう。その際、ピンセットとサンプル瓶も同時に冷却しておきます。

手順2.組織の凍結

摘出した臓器の余分な脂肪や血餅等を生理食塩水中で丁寧に取り除き、ろ紙で十分に水分を拭き取った後、一辺が5mm以下の直方体となるように、片刃カミソリで整形します。もし小型の場合は臓器全体を凍結します。

組織片をOCTコンパウンドに封入し、組織を区別できるように裏に鉛筆で情報を記載したろ紙の切れ端を添付します。次に、冷却していないピンセット(軍手を介して持つこと)でろ紙の端を持ち、ドライアイス・イソペンタン中に底にぶつけないように注意しながら完全に沈め、激しく泡が出なくなるまで固定します。凍結後は、標本をビーカーの中に落とす・急速に凍結しないと氷晶が粗大化してしまい良い標本ができません。

手順3.凍結標本の作製

クリオスタット、スライドグラス、ピンセット、マッペ、染色かご、デシケーターを準備します。

クリオスタットを薄切りする標本に適した温度(一般的には-20℃)に設定しておきます。次に、ピンセットをクリオスタット内に入れ冷やしておき、標本を入れたプラスチック製サンプル瓶をクリオスタットの中に移し、冷却したピンセットで標本を取り出します。

クリオスタット内のブロック台表面にOCTコンパウンドを少しのせ、ろ紙を下にひいた標本を素早く載せて凍り付かせます。しばらく待って標本の温度をクリオスタット内の温度に合わせ、面出しをした後、アンチロール板を刃に当て、ハンドルを回して暑さ8マイクロメートルまで薄切りにします。

つまみを回してアンチロール板を静かに手前に倒して刃から離し、刃の上に残った切片に接近させます。

前扉を開け、スライドグラスが切片に接触すると、切片はすぐに融けてスライドグラスに接着するため、スライドグラスをクリオスタット外に出し、前扉を閉めます。

切片を添付したスライドグラスはドライヤー(冷風)に当てて素早く乾燥させた後、デシケーター内で冷凍保存します。使用時には、デシケーターごと冷凍庫から出し、霜がつくのを防ぐために全体を室温まで上昇させてから開封しましょう。

凍結標本の作製時に気を付けるべきこととは?

凍結標本の作製時の安全上の注意点は、以下の通りです。

  1. ドライアイスやドライアイスで冷却した器具等を扱う時は必ず軍手を使用すること
  2. イソペンタンをこぼさないようにすること
  3. 凍傷を負った際には、流水にしばらく浸してから医師に診せる等の処置をとること
  4. イソペンタンは引火しやすいため「火気厳禁」とすること

病理学的検査なら、株式会社リバース大阪パソロジーセンターにご相談下さい

株式会社リバース大阪パソロジーセンターは細胞診や組織診、病理組織検査等を主に行う検査センター(大阪市登録衛生検査所第40号)です。

病医院様、クリニック様からの検査委託を始め、大学及び企業の研究施設等からの様々なご要望に対し、経験豊富なスタッフがフレキシブルに対応できる体制を整えております。また、淀屋橋クアトロアールクリニックと提携しておりますので、連携病理診断・術中迅速病理診断もご利用いただけます。

病理学的検査のことなら、ぜひどんなことでもお気軽にご相談下さい

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病理組織標本作製の診療報酬点数について解説 https://ropc.jp/column/medical-fee-points/ Tue, 04 Jun 2024 08:21:17 +0000 https://ropc.jp/column/?p=181 「診療報酬点数」という単語は、医療関係者なら誰しも目にしたことがあるのではないでしょうか。医療機関が受け取る診療報酬のうち、患者が窓口で支払う一部負担金(自己負担額)は1~3割となっており、自己負担額を除く診療報酬を受け...

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「診療報酬点数」という単語は、医療関係者なら誰しも目にしたことがあるのではないでしょうか。医療機関が受け取る診療報酬のうち、患者が窓口で支払う一部負担金(自己負担額)は1~3割となっており、自己負担額を除く診療報酬を受け取るためには、あらかじめ定められた点数に基づき、適切に請求する必要があります。

その中でも、今回は病理組織標本作製の診療報酬点数をピックアップしました。いくつかの種類がある病理組織標本作製において、どの程度診療報酬点数が設定されているのかを詳しくご紹介いたします。

詳しく知ろう!「診療報酬」とは?

診療報酬とは、クリニック等の医療機関が行った診療や検査、治療等の医療行為の対価として、公的医療保険から支払われる報酬です。診療報酬は、主に以下の項目に分けられます。

  • 医科診療報酬
  • 歯科診療報酬
  • 調剤報酬
  • 薬価・材料価格

これらは厚生労働省の告示により、公的医療保険の対象となる診療行為の範囲や点数があらかじめ定められており、1点=10円として計算されています。

行った医療行為を積み上げて1点10円で合算した額のうち、医療機関は1~3割(年齢や所得によって異なります)の自己負担分を患者から受け取り、合計額から患者の自己負担分を差し引いた残りの額を、審査支払機関を通して保険者から受け取ることになります。

診療報酬は原則「2年に1度」改定される

診療報酬のうち、以下のものは原則2年に1回改定されます。

  • 医科診療報酬
  • 歯科診療報酬
  • 調剤報酬
    ※薬価は1年に1回の頻度で改定

内閣が医療費の総額(改定率)を決めた上で、国の審議会が策定した基本方針に基づき、「中央社会保険医療協議会(中医協)」が具体的な個別項目についての審議を行います。

中医協は、診療側委員、支払側委員、公益委員の三者で構成され、診療報酬について厚生労働大臣から諮問された際、答申を行う諮問機関です。

診療報酬改定では、病院経営の収支調査や医療経済実態調査、医療品価格調査、特定保険医療材料、再生医療等製品価格調査のような医業経営指標の他にも、経済指標として賃金指数や物価指数等も踏まえて審議が行われます。

病理標本作製の点数は?

ここからは、病理組織標本作製の点数について、作製方法やケースに沿って詳しくご紹介いたします。

病理組織標本作製

  1. 組織切片によるもの(1臓器につき)…860点
  2. セルブロック法によるもの…(1部位につき)860点

組織切片において、以下のものは、区分ごとに1臓器として提供します。

  • 気管支及び肺臓
  • 食道
  • 胃及び十二指腸
  • 小腸
  • 盲腸
  • 上行結腸、横行結腸及び下行結腸
  • S状結腸
  • 直腸
  • 子宮体及び子宮頸部

電子顕微鏡病理組織標本作製

電子顕微鏡病理組織標本作製(1臓器につき)…2000点

電子顕微鏡病理組織標本作製は、腎組織、内分泌臓器の機能性腫瘍(甲状腺を除く)、異所性ホルモン産生腫瘍、軟部組織悪性腫瘍、ゴーシェ病等の脂質蓄積症、多糖体蓄積症等に対する生検及び心筋症に対する心筋生検の場合において、電子顕微鏡による病理診断のための病理組織標本を作製した際に算定が可能です。

免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製

  1. エストロジェンレセプター…720点
  2. プロジェステロンレセプター…690点
  3. HER2タンパク…690点
  4. EGFRタンパク…690点
  5. CCR4タンパク…10000点
  6. ALK融合タンパク…2700点
  7. CD30…400点
  8. その他(1臓器につき)…400点

1及び2の病理組織標本作製を同一に実施した場合は、180点を主たる病理組織標本作製の所定点数に加算します。

また、8について、確定診断のために4種類以上の抗体を用いた免疫染色が必要な患者に対して標本作製を実施した場合には、1200点を所定点数に加算します。

術中迅速病理組織標本作製

術中迅速病理組織標本作製(1手術につき)…1990点

術中迅速病理組織標本作製は、手術の途中において迅速凍結切片等による標本作製及び鏡検を完了した場合において、1手術につき1回算定します。

なお、摘出した臓器について、術後に再確認のため精密な病理組織標本作製を行った場合は、上記の病理組織標本作製の所定点数を別に算定します。

PD-Lタンパク免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製

PD-Lタンパク免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製…2700点

抗PD-L1抗体抗悪性腫瘍剤または抗PD-L1抗体抗悪性腫瘍剤の投与の適応を判断することを目的として、免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製を行った場合に、当該抗悪性腫瘍剤の投与方針の決定までの間に1回を限度として算定します。

ミスマッチ修復タンパク免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製

ミスマッチ修復タンパク免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製…2700点

別に厚生労働大臣が認める施設基準に適合しているものとして、地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、ミスマッチ修復タンパク免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製を実施し、その結果について患者またはその家族等に遺伝カウンセリングを行った場合には、遺伝カウンセリング加算として、患者1人につき月1回に限り、1000点を所定点数として加算します。

病理組織標本のことなら、ぜひリバース大阪パソロジーセンターにお任せ下さい!

リバース大阪パソロジーセンターは病理組織標本作製の他、細胞診や組織診、免疫組織・細胞化学検査、術中迅速診断検査等、病理学的検査を主に行う検査センター(大阪市登録衛生検査所第40号)です。

また、近年の病理医不足に対応し、検査センターや病院・診療所の病理診断支援を行い、サポートする体制を整えております。病理診断科を標榜する保険医療機関「淀屋橋クアトロアールクリニック」との提携により、連携病理診断も可能となっておりますので、病理診断の受託をぜひご利用下さい。

病理組織標本を含めた病理学的検査なら、ぜひリバース大阪パソロジーセンターにご相談下さい。

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組織診(生検)とは?検査の種類と方法について解説 https://ropc.jp/column/what-is-histology/ Sat, 04 May 2024 08:15:55 +0000 https://ropc.jp/column/?p=177 女性特有の疾患である「子宮頸がん」や「乳がん」の検診で異常が見つかった場合「精密検査として組織診(生検)を行いましょう」といわれることがあります。検査では主に細胞診が行われ、さらなる精密検査の一環として、組織診が行われま...

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女性特有の疾患である「子宮頸がん」や「乳がん」の検診で異常が見つかった場合「精密検査として組織診(生検)を行いましょう」といわれることがあります。検査では主に細胞診が行われ、さらなる精密検査の一環として、組織診が行われます。この2つは似ている単語ですが、非常に大きな違いがあります。

そこで、今回は、組織診(生検)とは一体何か、痛みや出血はあるのか、なぜ細胞診と組織診の2つが必要なのかについて、詳しくご紹介いたします

 組織診とは?

組織診とは、細胞で構成されている「組織」を採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査のことを指します。

別名「生検(せいけん)」とも呼ばれる検査方法で、以前は外科的(切開)生検という、皮膚を一部切開して採取する方法が主に使われていました。しかし、現在は切開をする必要はなく、特殊な針を使用して病変の一部を採取(吸引)する方法がスタンダードになっています。

組織診の種類には主に3種類あり、それぞれ詳しく紹介していきます。

 針生検

超音波(エコー)等で病変部分の位置を確認しながら、太さ約2mmの針を病変部に刺し、取り出します。そこで採取した組織から、がん細胞なのかどうか、さらにはどのような特徴をもつがんなのかを調べる方法です。

吸引式組織生検

吸引式組織生検で使われる針は、4mmと針生検に比べてやや太く、特殊な溝があります。刺した針の先端が開いており、そこから病変の一部を吸引することで組織が針の溝に入っていき、最終的には針の中を通り、外へ取り出される仕組みです。

吸引式組織生検はマンモグラフィあるいは超音波で病変部分を映しながら組織を採取する方法がベーシックで、石灰化(乳腺の中にあるカルシウムの固まり)のみの病変を調べる場合には、マンモグラフィを使用します。それ以外は、超音波で採取を行うケースが一般的です。場合によってはMRIで映しながら組織を採取することもありますが、どの方法をとっても吸引式であれば針生検より多くの組織を採取できるため、診断結果の確実性が高い組織診と言えるでしょう。

補足として、針生検・吸引式組織生検のどちらの方法も、採血で使われる程度の細い針で局部麻酔を施してから、生検のための太い針を刺していくため、痛みはそれほど強くありません。

また、検査の所要時間も15分~30分と短期間なので、多くの場合、大きな合併症等が無ければ翌日から日常生活に戻ることが可能です。

外科的生検

外科的生検は、メスで病変部分の一部または全部を切り取り、顕微鏡で採取した組織を調べる検診です。近年は針生検がスタンダードですが、針による組織診で病変部分の診断がつかない場合、外科的生検が行われることがあります。

組織診の結果とMRI等の画像診断を総合し、最終的にがんであるかどうかを判断します。

最初から組織診を行わない理由は?

「検診では細胞診、確定診断には組織診」というのがセオリーですが、なぜ最初から組織診を行わないのか?と疑問に思った方もいらっしゃるでしょう。

最初から組織診を行わない理由は、2つあります。具体的な内容をご紹介いたします。

検査に時間がかかる

細胞診は該当する場所を擦るだけですが、組織診は病気か疑わしい場所を探して針を刺し、場合によっては切り取ることで組織を採取するので、検査に時間がかかります。

そのため、健康診断のような検診には、組織診は適さないといえるでしょう。

患者にある程度の負担がかかる

細胞診が擦る検査であるのに比べ、組織診は簡単にいうと「削る」必要があるため、局部麻酔をしてもある程度の痛みは感じます。また、少量とはいえ出血することも多く、止血処理による負担は拭えません。

このような特徴から、「症状の自覚がない方の中から、がんの疑いがある方を見つけることが目的」の場合には、細胞診が適しています。細胞診を行った結果、「異常な組織」が存在する可能性がある場合のみ、組織診を行うといった流れとなります。

織診のことならリバース大阪パソロジーセンターにお任せ下さい!

弊社リバース大阪パソロジーセンターは、組織診等の病理学的検査を主に行う検査センター(大阪市登録衛生検査所第40号)です。

病医院様からの検査委託を始め、大学及び企業の研究施設等からの様々なご要望に対し、経験豊富なスタッフがフレキシブルに対応しております。また、淀屋橋クアトロアールクリニックと提携しておりますので、連携病理診断・術中迅速病理診断もご利用いただけます。

連携病理診断には、医療支援クラウドサービス「LOOKREC」を利用しています。LOOKRECは検査画像を中核とした医療機関・患者様向けの医療支援クラウドサービスです。高いセキュリティを保持し、検査画像や報告書をいつでもどこでも閲覧できる体制が整っています。

組織診のことなら、ぜひリバース大阪パソロジーセンターにご相談下さい。

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病理組織標本作製とは?作製の流れについて解説 https://ropc.jp/column/pathological-tissue-specimen-preparation/ Thu, 04 Apr 2024 07:31:47 +0000 https://ropc.jp/column/?p=174 病理医が顕微鏡をのぞいている姿はイメージできる光景ですが、その検査対象である病理組織標本についてご存じない方が多いのではないでしょうか。 今回は、この病理組織標本についての詳細や、作製の流れについて詳しくご紹介いたします...

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病理医が顕微鏡をのぞいている姿はイメージできる光景ですが、その検査対象である病理組織標本についてご存じない方が多いのではないでしょうか。

今回は、この病理組織標本についての詳細や、作製の流れについて詳しくご紹介いたします。

病理組織標本とは?

臨床医が採取した組織や細胞をホルマリン固定し、病理に精通した臨床検査着技師が処置をして、様々な工程を経たのちに病理医の診断に適した標本になったものを、病理組織標本と呼びます。

この病理組織標本を「病理医」や「細胞検査士」が顕微鏡下で詳細に観察し、診断を行います。

様々な疾患の治療方針を立てる際に、病理診断の結果は重要な因子となります。

 病理組織標本作製の流れについて解説!

ここからは、病理組織標本がどのように作製され、病理医の手元に届くのか、その過程について詳しくご紹介いたします。

 1.検体と依頼伝票の確認

まずは、依頼伝票に患者情報等の必要な情報が記載されているか、提出された検体が依頼伝票の内容と一致しているかどうかを確認します。

確認する内容は、氏名や性別、年齢等の患者プロフィール、検体が何か、個数等です。

近年ではより正確にできるよう、バーコード等のIT機器が使用されています。

 2.検体の固定

ゴム板(ホルマリンボード)や発泡スチロール等の板に臓器を貼り付け、ホルマリンに漬けて固定します。

固定液は通票、10~20%の緩衝ホルマリンを用います。

大きい検体は、切り出し時に適切な大きさにカットしますが、固定不良の場合、組織の自己融解が起こったり、腐敗してしまうため注意しましょう。

 3.臓器の写真を撮影する

次に、臓器の写真撮影を行います。全体像(表・裏)、病変部のアップ、断面等を主に撮影します。

今はデジタルカメラが主流となっているため、枚数は基本的に問われません。

切り出し後は検体がバラバラになってしまうため、写真による記録は重要です。

 4.切り出し

提出された組織が大きなものの場合、全体の標本作製をすることが難しいケースもあります。その場合、必要な部分を切り出して標本を作製します。切り出す部位は、主病変を中心に行いますが、比較対象の為の正常部分を切り出したり、腫瘍性病変の場合は腫瘍と正常部位の境界(断端)部分も採取したりと、全ての病変部分を取り切っているかチェックします。

不明な点は、担当の臨床医と密にコミュニケーションを取り解消していきます。

 5.カセット詰め

切り出した標本は、標本作製のための専用プラスチックカセットに入れます。切り出しの際、カセットに収まる大きさに切りますが、カセット内に切り出した組織を隙間なく詰めると、パラフィン等の溶剤の入りが悪くなり、薄切りが困難になる上、染色性も悪化します。

小さな検体は、ピンセットでカセットに入れます。

 6.脱水・脱脂・パラフィン浸透

組織検体にパラフィンを浸透させるため、検体に含まれる水をアルコールに、次にクロロホルムやキシレンを使用し、最後にパラフィンへ置き換える装置に検体を挿入します。

 7.包埋(ほうまい)・ブロック作製

包埋皿に切り出した組織を置き、そこに溶解しているパラフィン(約60度のもの)を流し込み、冷却してパラフィンブロックを作製します。

 8.薄切り

「ミクロトーム」と呼ばれる道具で薄切りにし切片を作製します。厚さは通常3~4um(3/1000~4/1000mm)程度ですが、目的により厚さを変えることもあるでしょう。

薄切りにされた切片を、湯冷ましの水に浮かべ、水(またはぬるま湯)に浮かべた切片を、スライドガラスに乗せて貼り付けます。

 9.乾燥

水に浮かべた切片をスライドガラスにすくい取り、伸展器の上で切片の元の面積にまで膨張させ、そのスライドガラスを約60度の乾燥機の中で乾燥させます。これによりパラフィンが溶解し、スライドガラスから切片が剥がれにくくなります。

 10.染色

検体がパラフィンに浸透したままでは染色されないため、パラフィンを溶かして洗い出します。

次に、ヘマトキシリン・エオシンと呼ばれる染色液で二重染色を行います。ヘマトキシリンは青紫色、エオシンは赤紫色の色素です。

 11.封入

染色後はアルコールによる脱水、キシレンによる透徹を行い、封入剤をつけてカバーガラスで覆います。

最後に封入して標本の完成です。

この標本を用い、病理医は光学顕微鏡で観察し、病理診断を下します。

必要であれば別の染色をオーダーし、別の染色を行う場合もあります。

 病理組織標本の作製から診断まで承ります!ぜひリバース大阪パソロジーセンターにご相談下さい

リバース大阪パソロジーセンターでは、細胞診・組織診等の病理学的検査を承っております。特に、標本作製ができない病院や診療所での病理診断を受託しております。

病理医が不足し、今後も減り続けている中で、検査センターや病院・診療所の病理診断支援を行い、しっかりサポートさせていただきます。

弊社は保険医療機関「淀屋橋クアトロアールクリニック」と提携しておりますので、連携病理診断が可能となっております。

病理組織標本の作製や診断のことなら、弊社リバース大阪パソロジーセンターにお任せください 

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甲状腺がんの診断で実施する検査と流れ https://ropc.jp/column/thyroid-cancer/ Sat, 09 Mar 2024 06:46:48 +0000 https://ropc.jp/column/?p=169 近年、甲状腺がんの罹患率は上昇傾向にあるといわれています。理由としては検査の精度が上がり、発見される確率が大幅に上がっているのが大きな要因とされています。 あまり聞き慣れない「甲状腺がん」ですが、具体的にはどのようなもの...

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近年、甲状腺がんの罹患率は上昇傾向にあるといわれています。理由としては検査の精度が上がり、発見される確率が大幅に上がっているのが大きな要因とされています。
あまり聞き慣れない「甲状腺がん」ですが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。
ここでは、甲状腺がんの詳細や、その診断で実施する検査の流れ等について具体的にご紹介いたします。

知っておこう!女性に多い「甲状腺がん」とは?原因や症状について解説

甲状腺がんは基本的に、女性に多い疾患だといわれています。一体どのような原因や症状があるのか、詳しくご紹介いたします。

甲状腺がんとは?

甲状腺とは「喉仏(甲状軟骨)」のすぐ下の気管の前にあり、気管を取り囲むように位置している、重さ10g~20g程度の非常に小さな臓器です。蝶のような形をしていることが特徴的で、甲状腺の裏側には「反回神経」という声帯や、食物を飲み込む「嚥下機能」を司る神経が通っています。
また、「甲状腺ホルモン」と呼ばれるホルモンを分泌する働きがあり、このホルモンは基礎代謝の亢進や脳、骨の成長、脂質や糖の代謝を促しています。他にも、血中カルシウムの濃度の調節に関わるホルモンを分泌する働きがあります。
この甲状腺の一部に悪性の腫瘍ができた状態のことを「甲状腺がん」と呼びます。罹患率はあまり高くないものの、女性の罹患率が男性に比べて高いという特徴があります。また、特定の年齢層がかかりやすいということもなく、若年者から高齢者まで幅広く分布しています。
さらに、甲状腺がんは生涯にわたり健康に全く影響しない、いわゆる「潜在がん」としても知られており、人口当たりの死亡率は10万人に1.5人と他のがんと比べて低く、予後が良いことも特徴の1つです。

甲状腺がんの原因

明確になる原因は分かっていませんが、若年期の放射線被ばくや体重増加、肥満等が原因の1つではないかと推測されています。また、甲状腺がんの中でも髄様がんと呼ばれる種類のがんには遺伝性による発症も見られるため、血縁者に発症している方がいる場合には注意が必要です。

甲状腺がんの特徴

症状としてはあまり重くなく、首のあたりに結節(しこり)を感じる以外はほとんどありません。まれに、喉の違和感や呼吸困難感、声の掠れ、飲み込みにくさ、圧迫感、痛み、血痰等の症状が出てくることがあります。

甲状腺がん検査の流れは?詳しくご紹介

甲状腺がんは検査の流れが基本的に決まっています。しっかりと検査の段階を重ねていくことで、甲状腺がんかどうかの確定診断がおります。
どのような検査を行うのか、詳しくわかりやすくご紹介いたします。

1.視診・触診

最初に視診と触診を行います。喉仏の下にある甲状腺にしこりがないか目で見て、さらに指で触って確認します。正常な甲状腺組織は柔らかく、身体の表面から触れることはできませんが、甲状腺にがんや良性腫瘍ができると、しこりとして触れることがあります。その場合には、大きさや周囲臓器との癒着等をしっかり確認します。

2.血液検査

甲状腺がんを血液検査で発見することはできません。ただし、甲状腺がんの1%を占める髄様がんは例外的に2つの腫瘍マーカーを持っています。1つは、人間ドック等でも測定される機会の多い、一般的な腫瘍マーカーであるCEA(carcinoembryonic antigen)です。このCEAは髄様がん以外にも胃がんや大腸がん、肺がん等でも上昇することが多く、これだけでは髄様がんと特定することは不可能です。
もう1つのマーカーであるカルシトニンは髄様がんに特異的なマーカーで、CEAとカルシトニンの双方が高い場合には、髄様がんを強く疑います。

3.超音波検査(エコー検査)

甲状腺がんの診断において最も効果的な検査です。しこり(腫瘍)の有無や部位、サイズの他にも、良性腫瘍か甲状腺がんの区別、さらには甲状腺がんのタイプまで推測することが可能です。痛みを伴うこともなく、所要時間も5~10分程度です。放射線被ばくもなく、妊娠・授乳中の女性でも安心して受けられます。

4.穿刺吸引細胞診検査(細胞診検査)

超音波検査等で甲状腺がんを疑うしこりが見つかった場合、穿刺吸引細胞診検査を行います。超音波で甲状腺の内部を確認しながら、がんを疑う部分に針を刺して細胞を採取し、顕微鏡で細胞の良性・悪性を判定します。甲状腺がんの4つのタイプのうち、「乳頭がん」「髄様がん」「未分化がん」の3つは、細胞診を行うことにより高確率で診断できます。しかし「濾胞がん」は診断ができません。理由としては、良性腫瘍の一種である「濾胞線腫」は顕微鏡で見てもほぼ同じように見えるためです。濾胞がんと濾胞線腫を区別するためには、診断と治療を兼ねて手術で甲状腺を摘出し、細胞診よりさら細かい組織検査を行う必要があります。

5.CT検査

レントゲン撮影した画像をコンピュータで再構成し、人体の断面図を作成する検査です。甲状腺がんと良性腫瘍を区別するには難しいですが、甲状腺がんの周囲の広がりを見る、あるいは肺や骨等に遠隔転移をしていないかを調べるために使用します。

穿刺吸引細胞診検査を行っております!弊社リバース大阪パソロジーセンターにご連絡下さい

弊社リバース大阪パソロジーセンターは、病理学的検査を主に行う検査センター(大阪市登録衛生検査所第40号)です。
病理学的検査とは、人体から採取された組織や細胞を、肉眼・顕微鏡で観察することで、病気の原因や新興度合い、予後の推定、治療効果の判定を行える検査です。
もちろん、穿刺吸引細胞診検査も承っております。保険医療機関「淀屋橋クアトロアールクリニック」との提携により、連携病理診断も可能となっております。
細胞診検査等の病理学検査については、ぜひ弊社リバース大阪パソロジーセンターにご相談下さい。

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甲状腺穿刺吸引細胞診とは?実施の目的と方法を解説 https://ropc.jp/column/thyroid-fine-needle-aspiration-cytology/ Sat, 17 Feb 2024 06:33:04 +0000 https://ropc.jp/column/?p=165 健康診断時の触診や超音波検査等で甲状腺部分に「しこり」が見つかった際、血液検査や超音波検査(エコー検査)と共に「甲状腺穿刺吸引細胞診」と呼ばれる検査を行います。漢字の通り、針を患部に刺し、細胞を吸引して、その細胞に異常が...

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健康診断時の触診や超音波検査等で甲状腺部分に「しこり」が見つかった際、血液検査や超音波検査(エコー検査)と共に「甲状腺穿刺吸引細胞診」と呼ばれる検査を行います。漢字の通り、針を患部に刺し、細胞を吸引して、その細胞に異常がないかどうかを調べる検査方法です。
痛みや身体への負担もそれほどない検査ですが、あまり聞き慣れない検査方法に、不安に感じる方も多いようです。
そこで、今回は甲状腺穿刺吸引細胞診を行う目的や方法について、詳しくご紹介いたします。

そもそも「甲状腺」とはどの部分?

よく聞く「甲状腺」ですが、実際にはどの部分にあるのでしょうか。甲状腺穿刺吸引細胞診について知る前に、甲状腺の基礎知識について解説いたします。

大切なホルモンを出す重要な器官

甲状腺は、首の喉仏のすぐ下にある、蝶が羽を広げたような形の臓器です。主にホルモンの合成と分泌を行っています。
甲状腺から出るホルモンは「甲状腺ホルモン」と呼ばれ、胎児期や乳幼児期には発育のため、成人では主に代謝調節のために働いており、生涯を通して必要とされる大切なホルモンです。

甲状腺を構成する細胞について

甲状腺は濾胞細胞(ろほうさいぼう)と傍濾胞細胞(ぼうろほうさいぼう)という2つの細胞で構成されています。濾胞細胞は血液の中から、甲状腺ホルモンの元となるヨウ素を吸収して、甲状腺ホルモンを合成・分泌する細胞であり、甲状腺の99%がこの濾胞細胞です。残りの1%が傍濾胞細胞で、カルシトニンと呼ばれる血液中のカルシウム濃度調節を行うホルモンを分泌しています。これらの細胞ががん化すると、甲状腺がんが発生します。

「甲状腺穿刺吸引細胞診」とはどんな検査?手順を解説

甲状腺穿刺吸引細胞診は、患者さんへの身体の負担が少なく、検査時間もわずか数分~10分程度と、非常に短い時間で終わる検査です。近年では日帰り検査も増え、より身近なものになってきています。
ここでは、そんな甲状腺穿刺吸引細胞診が具体的にどんな検査なのか、簡単な手順も交えてご紹介いたします。

甲状腺部分に針を刺して、直接細胞を吸引する

まずは超音波検査で甲状腺の内部を確認しながら、がんが疑われる部分に針を刺して細胞を採取し、顕微鏡で観察して良性か悪性かの判定を行います。針は皮下注射に使用するような細い針を使用し、慣れた施設で行えば1~2分で終了する検査で、入院も不要です。甲状腺がんのうち、乳頭がんや髄洋がん、未分化がんの3つは、甲状腺穿刺吸引細胞診を行うと高い確率で診断ができます。
しかし、濾胞がんや良性腫瘍の一種である濾胞腺腫の細胞は顕微鏡で見てもほぼ同じように見えるため、この2つについては診断ができません。診断と治療を兼ねて手術によって甲状腺を摘出し、さらに細かい組織検査を行う必要があります。

基本的には病理診断科の医師が穿刺吸引を担当する

甲状腺穿刺吸引細胞診は適切な標本作製と細胞観察が求められるため、針を患部に刺す穿刺、採取した細胞をガラス板に擦りつける塗抹手技の技術力が診断結果を左右します。そのため、多くの病院では病理診断科の医師が穿刺吸引を担当しています。病理医が担当することで、より正確な診断のために必要な、質の高い標本の作製につながります。
また、穿刺吸引は診断に役立つ位置から正確に細胞を採取しなければ全く意味がありません。針先がどこにあるのかを超音波(エコー)できちんと確認しながら、慎重に穿刺吸引を行います。
特に、甲状腺は血流が豊かな臓器な上、周囲に静脈等の血管や神経が走っていますので、超音波で確認しながら行うことで、血管や神経を極力避け、安全に配慮して行うのが基本です。

身体の負担は少ないが…穿刺吸引細胞診の問題点

穿刺吸引細胞診を行えば、ほとんどの場合、異常がある部分の診断がつきます。しかし、稀に診断がつかない場合があり、生検等ではわかる病変全体の組織像が、穿刺吸引の場合は病変の一部しか確認できません。
従来の経験則等を駆使して、病理医が一部「想像する」ことが必要になります。あくまでも仮定と想像の範囲になってしまうため、疑わしい場合には別の検査を行うことになります。
患者さんへの身体の負担は最も少ない分、診断の正確さも他の検査と比べて劣ることがあります。診断が確定できなかった場合は、他の方法を試みる必要があることも理解しておく必要があるでしょう。

甲状腺穿刺吸引細胞診の検査を承っております!リバース大阪パソロジーセンターへご相談下さい

弊社リバース大阪パソロジーセンターでは、上記でご紹介した甲状腺穿刺吸引細胞診を始めとした細胞診の他にも、以下のような検査を行っております。

病理組織検査 (手術摘出材料・一般生検材料・針生検・剖検材料・実験動物材料)

  • 免疫組織・細胞化学検査 (酵素抗体法・蛍光抗体法など)
  • 病理学的研究関連資料 (標本作製・染色・顕微鏡写真撮影など)

【至急予約検査】

  • 至急生検組織検査 (消化器など / 48時間以内に組織検査報告します)
  • 術中迅速診断検査 (クリオスタットによるFrozen Section)

病院様からの検査委託を始め、大学及び企業の研究施設等からの様々なご要望に対しても経験豊富なスタッフによりフレキシブルに対応いたします。また、淀屋橋クアトロアールクリニックと提携しているため、連携病理診断や術中迅速病理診断もご利用いただけます。
甲状腺穿刺吸引細胞診の検査も承っております!ぜひ弊社リバース大阪パソロジーセンターにご相談下さい。

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オンコロジーとは?病理と関連が深い腫瘍学についてご紹介 https://ropc.jp/column/oncology/ Thu, 19 Oct 2023 04:00:39 +0000 https://ropc.jp/column/?p=160 「オンコロジー(腫瘍学)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。腫瘍やがんに非常に深く関わる学問の言葉で、これがなければがんに関することは何一つ解明できないとまでいえる重要なジャンルです。 そこで、今回はあまり知られて...

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「オンコロジー(腫瘍学)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。腫瘍やがんに非常に深く関わる学問の言葉で、これがなければがんに関することは何一つ解明できないとまでいえる重要なジャンルです。

そこで、今回はあまり知られていない、オンコロジーに関する詳細や、病理診断とどんな関係があるのかについてまで、幅広くご紹介いたします。

 

オンコロジーとは?

オンコロジー(Oncology)は日本語で「腫瘍学」と呼ばれるもので、ガンに関する研究や診断、治療、予防の専門分野です。がんは異常な細胞の増殖と腫瘍の形成を特徴とする疾患であり、胃がん、大腸がん、咽頭がん、子宮がん、乳がん等様々な種類と進行段階があります。がん専門医のことを「オンコロジスト」と呼び、がんのプロセスを深く理解し、患者に対する最適な治療法を提供するために、専門的な知識とスキルを持つがんのエキスパートです。

オンコロジーには様々な側面を持ちます。以下に、その側面について詳しくご紹介いたします。

 

がんの「原因」について知る

  • 遺伝的要因…一部のがんは遺伝的要因があり、遺伝子の変異に関連しています。家族の既往歴や遺伝子検査を通じて、がんのリスクを調べることができます。
  • 環境要因…がんには環境的な要因も含まれます。代表的なものには、喫煙や紫外線、有害な化学物質、大量の放射線等も、がんの発生に関係している可能性があります。
  • ウィルス感染…ヒトパピローマウィルス、ヘリコバクター・ピロリ菌、B型・C型肝炎ウィルスはがんの原因となることがあります。

 

がんの「診断」について知る

  • 画像診断…X線やCTスキャン、MRI、PETスキャン等の画像検査が、がんの位置や進行度を調べるのに役立ちます。
  • 生検…病変の一部を採って、顕微鏡で詳しく調べる検査です。生検には、針を使う針生検、内視鏡による生検、手術で切り取った病変部位を調べる手術生検等が含まれます。
  • 血液検査…特定の腫瘍マーカーや血液中の以上を検出するために、血液検査が行われることがあります。

 

がんの「治療」について知る

  • 手術…腫瘍を直接切除する手術は、初期のがん治療の一部として行われます。
  • 放射線治療法…放射線を照射することによって、がん細胞の遺伝子にダメージを与え、がん細胞を壊す治療法です。正常な細胞も同時にダメージを受けますが、がん細胞とは異なり自己修復が可能です。
  • 化学療法…抗がん剤を用いてがんを治療していきます。抗がん剤には、がん細胞の増殖を抑える、あるいは再発や転移を防ぐ効果があります。手術や放射線治療法ががんに対する直接的、局所的な治療であるのに対し、化学療法はより広範囲に治療の効果を及ぼすことができます。
  • 免疫療法…人には、本来細菌やウィルス等の「異物」が身体に入ってくるのを防いだり、排除したりする力を持っています。その力を「免疫」と呼び、その力を利用してがんを攻撃する治療法を免疫療法と呼びます。ほとんどの場合、T細胞ががんを攻撃する力を保つ、あるいは攻撃する力を強めることによって、がん細胞を攻撃します。
  • 分子標的療法…がん遺伝子により作られるタンパク質等を標的として、その働きを抑えたり、がん周囲の環境を整える因子を標的にして、がん細胞が増殖しにくい環境を整える治療法です。

分子標的療法はがん細胞だけをピンポイントで狙い撃ちするため、大きな副作用を出さずにがんを抑える効果が期待されていましたが、ある程度の副作用は出てしまうことがわかってきています。

 

がんの「予防」について知る

  • ワクチン…ヒトパピローマウィルスワクチン等が、がんの予防に効果的とされています。
  • 生活習慣の改善…喫煙や飲酒等をある程度制限し、健康的な食事や運動、ストレス管理を行うことが、がんのリスクを減少させるのに役立つといわれています。

 

「臨床試験」を実施する

新しい治療法や薬剤の効果、安全性等を調べるために、患者の了承を得た上で臨床試験が実施されます。

患者はこれらの試験に参加することで、最新の治療法を試せるというメリットがあります。

 

「精密医療(プレシジョン・メディシン)」を設計する

「精密医療」とは、「それぞれの患者個々人に合った最適な治療を行う医療」のことを指します。しかし、「患者個々人に合った治療を選ぶ」ことは非常に難しいことでもあります。患者は一人一人体質が異なり、同じ臓器のがんでも患者によって原因となる遺伝子異常が違う場合も多いのです。

そこで、高速かつ安価に遺伝子を解析できる機器を使用し、遺伝子に基づいた治療を行っていくことも、オンコロジーの1つとされています。

 

患者の「サポートとケア」を行う

がん患者とその家族に対する心理的、社会的、栄養的なサポートを提供し、生活の質(Quality of life=QOL)を向上させるのに役立ちます。

 

このように、オンコロジーはがん患者の生存率や生活の質を向上させるための新たなアプローチ法が常に開発されています。がんに対する早期診断はもちろん、最新の治療法へのアクセスは、がん患者の治療と生活において極めて重要な要素なのです。

 

がんの「確定診断」になる病理診断は、オンコロジーにとっても重要です

病理診断とオンコロジーは、がんの診断や予後評価、治療計画の策定等において密接な関係があります。まず、病理診断はがんの診断の基礎です。患者から採取された生検組織やサンプルを病理医が詳細に観察することで、がん細胞の発見や特徴の確認ができます。また、病理診断はがんの進行度を調べるのにも役立ち、がんが周囲の組織やリンパ節に広がっているかどうかを判断し、いわゆる「ステージ判断」を行います。ステージ判断は、治療計画の指針となるため、重要な判断材料です。

このように、がんの「確定診断」にもなる病理診断は、オンコロジーにとっても重要な要素となります。

 

医療の「キモ」となる病理診断に自信があります!弊社にぜひご相談下さい

弊社リバース大阪パソロジーセンターでは、病医院様からの検査委託を始め、大学及び企業の研究施設等からの様々なご要望に対して、経験豊富なスタッフによりフレキシブルに対応いたします。また、淀屋橋クアトロアールクリニックと提携しておりますので、連携病理診断や術中迅速病理診断もご利用いただけます。

また、弊社では医療支援クラウドサービス「LOOKREC」を導入しております。検査画像や報告書の閲覧を高いセキュリティのもとでフレキシブルなサービスを世界中に提供可能です。

医療の「キモ」ともいえる病理診断に自信があります!ぜひ弊社リバース大阪パソロジーセンターにご相談下さい。

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確定診断とは?病気の検査に欠かせない病理診断 https://ropc.jp/column/definitive-diagnosis/ Tue, 12 Sep 2023 03:52:59 +0000 https://ropc.jp/column/?p=157 医療の世界で「確定診断」は非常に重要です。疾患がどのようなものかを確定し、患者に告知することにより、今後の治療やリハビリテーション等、適切な治療方法にもつなげていきます。 その確定診断に「病理診断」は欠かせません。確定診...

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医療の世界で「確定診断」は非常に重要です。疾患がどのようなものかを確定し、患者に告知することにより、今後の治療やリハビリテーション等、適切な治療方法にもつなげていきます。

その確定診断に「病理診断」は欠かせません。確定診断と病理診断は、似ているような用語で全く違うものです。

では、どのような違いがあるのでしょうか。今回は確定診断についての詳細と、病理診断がどのようなものなのかについて、詳しくご紹介いたします。

 

医療における「確定診断」とは?

「確定診断」とは、患者の病気や病状を正確に特定し、「病名」を公表して診断することを指します。

これは、患者の症状や臨床所見、検査結果等の情報を総合的に考慮し、疾患を特定するものです。

確定診断は、医師や医療従事者が患者の状態を適切に判断、治療し、管理するために非常に重要な要素です。また、診断は必ず正確でなければならず、誤診は患者の安全性や命に直接関わります。そのため、確定診断を行う際には臨床診断の他にも病理診断が行われ、科学的な方法論に基づいて行われます。

 

確定診断を行うためのステップ

 

上記でご紹介したように、確定診断は簡単にできるものではなく、複数のステップを踏んで確実な過程と結果につなげていく必要があります。ここでは確定診断を行うためのステップについて、簡単にご紹介いたします。

 

ステップ1.臨床診断

患者の病歴を収集し、症状を詳しく尋ねた上で、医師が触診や視診、聴診等を行って得た情報から「おそらくこの病気であろう」という推測の病名を出します。これを「臨床診断」と呼びます。

この臨床診断はあくまでも、初期の仮説や診断の手がかりに過ぎず、ここで確定診断が下りることはありません。

 

ステップ2.検査

患者に対して必要な検査を行います。これには、血液検査や画像検査(X線、CTスキャン、MRI等)、さらには病理診断が行われます。これらの検査結果は、診断の確定に必要な情報となります。

 

ステップ3.確定診断

上記の臨床診断や検査結果を組み合わせ、最終的な診断を導き出し、患者に告知します。この工程は非常に患者・医療従事者にとって重要で、専門知識を持つ医師や病理医等と共に行われ、診断が確実かつ正確であることを保証しなければなりません。

確定診断が行われたら、いよいよ本格的な治療の開始です。医療チームは適切な治療計画を立て、患者に対して最善の治療法を提案・提供します。

 

確定診断を行うために必要な「病理診断」とは?

病理診断は、患者の身体より採取された病変の組織や細胞から顕微鏡用のガラス標本を作り、観察して診断します。この病理診断を専門とする医師が「病理医」です。

病理診断には、主に以下のようなものがあります。

  • 細胞診断
  • 生検組織診断
  • 手術で摘出された臓器・組織の診断

どのような診断なのか、以下の項目で詳しくご紹介いたします。

 

細胞診断

肺がんや膀胱がん等では、痰や尿の中にがん細胞が混じることがあります。そのような排泄物を顕微鏡で調べ、がん細胞がいるかどうかを調べるのが細胞診断(細胞診)です。他にも、子宮がん検診では、子宮頸部から細胞をこすり取って調べたり、喉や乳房にしこりがあると、細い針を刺して吸引し、取れた細胞の中にがん細胞がいるかどうかを調べることもあります。

細胞診断はその箇所によって、採取の方法が異なるのが特徴です。

 

生検組織診断

治療方針を決めるために、胃や大腸、肺の内視鏡検査を行った際に、病変の一部をつまみ採る、あるいは皮膚などにできものができた際にその一部をメスで切り取る等して、病変の一部を標本にして観察します。この検査を生検組織診断(生検)と呼び、確定診断にも活かされます。

 

手術で摘出された臓器・組織の診断

手術で摘出された臓器や組織は、病理医が肉眼で病変の部位や大きさ、性質、広がり具合を確認し、診断に必要な部分を必要な数だけ切り取ります。この作業は国家資格を持つ臨床検査技師が行います。その後、病理医が標本を顕微鏡で観察し、どのような病変がどの程度進行しているのか、手術で全て取り切れているのか、さらには追加治療が必要かどうか等、手術後の治療方針の決定に役立つ情報を臨床医に提供します。

 

病理診断は確定診断に欠かせない要素の1つです

病理診断は「最終診断」と呼ばれているほど、確定診断に欠かせない要素です。現代の医療診断技術は目覚ましい進歩を遂げており、様々な診断手法を用いると、およそ90%の確率で診断ができます。

しかし、内科や泌尿器科、婦人科等の臨床医が患者の診察や検査を行って疾患の可能性を疑っても、病理診断がなければ100%とはなりません。また、臨床医が疾患を疑っていなくても、病理診断で疾患が確定されればそれが最終診断=確定診断となります。

また、確定診断以外にも、外科的治療がなされた際には病気の程度や広がり具合等非常に細かな情報が必要となります。この情報は病理診断以外では得られず、病理診断がなされて初めて最終診断となります。

陰で医療を支え続けているのが、病理医であり、病理診断なのです。

 

病理診断のご依頼を承ります!弊社リバース大阪パソロジーセンターにご相談下さい

弊社リバース大阪パソロジーセンターは、病理学的検査を主に行う検査センター(大阪市登録衛生検査所第40号)です。今回ご紹介したように、病理学とは、人体から採取された組織や細胞を、肉眼・顕微鏡で観察することで、病気の原因や予後の推定、治療効果の判定を行う検査です。

弊社では、細胞診、組織診、さらには術中迅速組織診にも対応しております。

また、昨今の病理医不足に対応するため、保健医療機関「淀屋橋クアトロアールクリニック」との連携により、連携病理診断も可能としております。

病理診断のご依頼なら、ぜひ弊社リバース大阪パソロジーセンターにご相談下さい

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細胞検査士とは?仕事内容と資格取得方法についてご紹介 https://ropc.jp/column/cytologist/ Sat, 25 Mar 2023 07:19:32 +0000 https://ropc.jp/column/?p=152 がん細胞の発見等において、欠かすことのできない職業が「細胞検査士」です。その活躍の場は非常に多く、大学病院やがんセンターで多くの細胞検査士が業務を行っています。 あまり聞き慣れない細胞検査士とは、どのような仕事を行ってい...

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がん細胞の発見等において、欠かすことのできない職業が「細胞検査士」です。その活躍の場は非常に多く、大学病院やがんセンターで多くの細胞検査士が業務を行っています。

あまり聞き慣れない細胞検査士とは、どのような仕事を行っているのでしょうか。今回は細胞検査士の仕事内容や資格取得の方法についてわかりやすくご紹介いたします。

細胞検査士とは?

細胞検査士とは、病院をはじめとする医療機関で「細胞病理検査」を主な仕事とする医療専門職です。

細胞病理検査とは、医師が採取した人体の細胞の一部を顕微鏡で観察し、がん細胞等の異常細胞を早期に発見することを目的としています。

この職業には世界中で行われており、日本では約6000人が学会認定の細胞検査士免許を持っています。また、細胞検査士の多くが国際免許も持ち、海外でも活躍しています。

他にも標本の作製や保存といった業務も、細胞検査士が行います。

細胞検査士の仕事内容は?

細胞検査士の仕事内容は責任が重く、多岐に渡ります。ここでは細胞検査士の仕事内容を詳しく、ケース別に分けてご紹介いたします。

検査作業【標本作製・がん細胞等のスクリーニング作業】

細胞検査士が携わる最も多くの業務が、この検査作業です。この検査作業では、最初に「標本作製」と呼ばれる作業を行う必要があります。

ここで、細胞検査士はスライドガラスに医師が採取した病変部分を付着させる「塗抹」、細胞の変成や融解などの変化を停止させる「固定」、細胞診用の染色液で染めて異常細胞をわかりやすくする「染色」、より良い状態で保存する「封入」等の「検体処理」と呼ばれる作業を行って標本を作製します。さらに、完成した標本を観察する「スクリーニング」と呼ばれる検査作業が行われ、がん細胞や異形成細胞を探し出します。

細胞を観察し報告書を作成する

上記でも簡単にご紹介したように、がん細胞や異形成細胞を発見するためには、顕微鏡を使用した観察作業が不可欠です。この作業も細胞検査士が担う大きな仕事の一つで、この作業には微細な異常も察知する高い注意力が必要とされます。

また、観察で得た結果は全て詳細に報告書へ記載する必要があり、その作成も細胞検査士が行う仕事の一つです。

ケース1:乳がんの場合

近年では乳がんの増加が大きな問題になっています。乳房にしこりがあり、乳がん検診で異常があると認められると、その部分に注射器の針を刺して細胞を吸い取り(穿刺吸引細胞診)、それをスライドガラスに塗りつけて調べます。

乳腺の他にも甲状腺や唾液腺、リンパ節等でも検査が行われます。

乳がんは、よく耳にすることのある「ステージ」で表されます。がんの広がり具合やリンパ節、他の臓器への転移の有無といった指標を組み合わせながら、0期~Ⅳ期の5段階で表します。

ステージが確定すると、各ステージに合わせた乳がんの治療が始まります。どのステージなのかを判断する要素として、細胞検査士が行う細胞病理検査が活用されます。

ケース2:子宮頸がんの場合

子宮頸がんは「ヒト・パイローマウィルス(HPV)」と呼ばれるウィルスが原因であることがわかっています。HPVに感染するすると、細胞の形が変化し、異形成細胞として細胞病理検査で発見することができます。

子宮頸がん検診は、婦人科医が子宮内部の細胞を採取具でこすり取ります。こすり取った細胞はスライドガラスに塗りつけられ、細胞診用の染色液で染めた後顕微鏡で調べます。

異形成細胞や表面だけのがん(上皮内がん)で見つかれば、子宮頸部の表面を削り取る、またはレーザーで焼き取って子宮を残すことが可能です。しかし、表面の下の組織まで広がっていると、手術で子宮を摘出しなくてはなりません、その判断基準も、細胞検査士が行う細胞病理検査が重要な鍵となります。

細胞検査士になるには?受験資格や試験についてご紹介

細胞検査士になるには、どのような資格や試験を受ける必要があるのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。ここでは、受験資格や試験内容について簡単にご紹介いたします。

詳細については「公益社団法人日本臨床細胞学会」のHPもご参照下さい。

(参考:第55回細胞検査士資格認定試験 受験者募集|日本臨床細胞学会

「細胞検査士資格認定試験」に合格する必要がある

細胞検査士として働くためには、まずは認定試験を受けなければなりません。この試験は「公益社団法人日本臨床細胞学会」が主催している試験で、毎年10月~12月にかけて第一次試験と第二次試験が実施されています。

資格の有効期限は5年で、所定の単位を取得した上で、5年ごとに資格更新の審査を受けることが必要となります。合格率は2021年で64.4%、2020年で60.9%と、約半数以上が合格しています。

(参考:細胞検査士|日本資格取得支援

認定試験の資格を得るには?

上記でご紹介した認定試験は誰でも受けられるものではなく、受験資格を満たした人しか受験することができません。具体的には以下の条件が必要となります。

 
※臨床検査技師または衛生検査技師の資格取得+細胞診検査実務に1年以上従事した者

※臨床検査技師または衛生検査技師の資格を所有+細胞診技術者養成機関卒業見込み・卒業者

※4年制大学で日本臨床細胞学会が認定した細胞検査士養成課程修了者であり、大学卒業見込み者または卒業者。もしくは該当する課程の修了者であり、臨床検査技師か衛生検査技師いずれかの資格を取得した者

受験時には養成機関を卒業したことや卒業見込みであることを証明する書類を提出する必要があります。

細胞病理検査を承っております!ぜひ弊社大阪パソロジーセンターにご連絡下さい

弊社は細胞病理検査を含んだ病理学検査を主に行う検査センター(大阪市登録衛生検査所第40号)です。

病医院様からの検査委託を始め、大学及び企業の研究施設等からの様々なご要望に対し、経験豊富なスタッフがフレキシブルに対応いたします。また、淀屋橋クアトロアールクリニックと連携しておりますので、連携病理診断や術中迅速病理診断もご利用いただけます。

細胞病理検査を含んだ病理学検査のことなら、ぜひ弊社大阪パソロジーセンターにご相談下さい。

お問い合わせはこちら

 

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病理診断の最先端!病理診断領域のAIプログラムについて https://ropc.jp/column/ai-program/ Thu, 09 Mar 2023 07:08:30 +0000 https://ropc.jp/column/?p=146 近年、多くの分野で「AI」が注目されています。その影響は病理診断にも及んでおり、深刻な問題となっている病理医不足の解消に役立てられるよう、様々なシステムやソフトの開発が進んでいます。 「病理診断」と「AI」はどこまで進み...

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近年、多くの分野で「AI」が注目されています。その影響は病理診断にも及んでおり、深刻な問題となっている病理医不足の解消に役立てられるよう、様々なシステムやソフトの開発が進んでいます。

「病理診断」と「AI」はどこまで進み、どこへ進んでいくのでしょうか。今回は病理診断の最先端ともいえる病理診断領域のAIプログラムについて詳しくご紹介いたします。

不足している病理医と今の日本とのつながり

2023年2月現在で、日本の総人口は1億2463万人です。

(参考:人口推計(令和4年(2022年)10月確定値、令和5年(2023年)3月概算値) (2023年3月20日公表)|総務省統計局)対して、医師と呼ばれる立場にある人は32万人前後いますが、病理医は全国でも2300人程度しかいません。計算上では、5万5000人近くの病理診断を一人で行わなければならない計算となります。

病理医は、臨床医と連携しつつ、疾患を診断するための中核的存在として、医療チームの中で貢献しています。さらに、日本は世界でも有数の「ガン大国」です。日本人は90万人のガン患者が常にいる計算となり、病理医一人あたり391人の患者の病状を把握することが求められる危機的な事態となっています。

先進国の中でも日本人のガンが多いのは、高齢化のスピードが速いことが原因としてあげられています。

日本でガンが最も多く発生するのは、団塊の世代が80代後半に入る2030年~2035年前後だとされており、病理医不足の対策が急がれています。

病理医不足を補えるか?病理診断のAIプログラム

一口に「病理診断のAIプログラム」といっても、多角的な視点と開発が必要となります。病理診断は患者さんが持つ疾患の「最終診断」となるため、慎重かつ正確に進めなければなりません。

ここでは、病理医不足を補うべく開発され続けている、AIの詳細や病理診断のAIプログラムの詳細についてご紹介いたします。

AIとは?

AI(人口知能)とは、1940年代に提唱された概念の一つで「人間が行う認知や判断といった機能を備えたコンピュータシステム」と考えられています。昨今のAIは、データから機械が自動で学習し、データの背景にあるルールやパターンを発見する「機械学習」ですが、大量のテキストデータを分析する「自然言語処理」、統計学やデータサイエンスなどの領域も含んであり、互いに重複しながら進化を遂げています。この技術はロボット工学や社会知能等多岐に渡って応用され、特にこの10年間で飛躍的な進歩を遂げました。

病理診断AIの開発は進んでいる?

病理診断AIに関しては、まだ研究段階ではあるものの、様々なプログラムソフトや論文報告が行われ、意欲的に開発が進められています。例えば、リンパ節にガン病巣を検出するプログラム、胃生検等で悪性を含む検体をマーキングするプログラム等は、ほぼ実用段階に到達しています。また、細胞診においては、プログラムをサーバ内に組み込んでサーバごとシステムとして販売する「病理人工知能AI自動解析サーバ(研究使用限定)」を提供する企業も出てきています。

しかし、実際に医療の現場で活用する「医療機器」として、承認された病理診断AIはまだありません。

これには、ある施設で開発された病理診断支援AIが他の施設で十分に性能が発揮できない等、複数の欠点が発見されているためです。結論としては「病理診断AIの開発は進んでいるものの、実用段階にまでは至っていない」というのが現状としてあげられます。

病理診断AIを導入するには

一般社団法人、日本病理学会が作成した「病理診断支援AIの手引き」には、以下のような記載があります。

【病理診断支援AIを導入する際には、様々な症例を網羅した少なくとも60症例の自施設症例を用いて、病理診断AIの解析結果とガラススライドを用いた診断の二者(必要であれば病理診断支援AIに入力した画像データを含め三者)を比較する検証実験を実施し、その違いについて十分に検証を行うのが望ましい。複数の機能やタスクを有している場合は、機能毎、タスク毎に検証を行う必要がある。】

(参考:病理診断支援AIの手引き|一般社団法人日本病理学会

病理診断AIは、解析結果に100%を求めることはできません。また、機械学習では多数のデータがより尊重され、少数データが反映されにくいという特性があります。

しかし、病理医不足の中、AIによる支援や診断が求められているのは事実です。今後、技術の進歩と共に、病理医をサポートする病理診断AIが続々と開発されていくでしょう。

AIが病理医に代わっていくことはあるのか?

上記でご紹介したように、病理診断のAIは目覚ましい速度で進歩と開発が進んでいます。ただし、現在開発されているAIは極めて狭く、決められた範囲のみ判断可能ですが、多種多様な疾患を診断する病理医の役割に置き換えられるものではないと考えられています。

例えば「胃がんの有無を判断する」という単純なものであれば、AIは精度の高い結果を出すでしょう。しかし、胃には悪性リンパ腫や線がん、転移の可能性等複数の疾患があり、基本的に二者択一での判断はできません。そのような症例において、AIは未だ不正確で信頼性に欠ける面があります。

病理医は、人でしかできない「臨床医とのコミュニケーション」を通じて患者さんの状態を的確に把握し、臨機応変に対応していく必要があります。アメリカでは「病理診断を担う病理医の頭の中を俯瞰するようなAIは未来永劫作ることはできない」という宣言が出されているほどです。

どれだけAIが進歩しても、病理医の必要性が消えることはありません。上手く「共存」し、さらに正確な病理診断を行うということに、AIは大きな力を発揮していくのです。

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弊社では「病理学的検査のエキスパート」として、様々な病理学的検査サービスを提供しております。

具体的には以下の通りです。

  • 病理組織検査 (手術摘出材料・一般生検材料・針生検・剖検材料・実験動物材料)
  • 細胞診検査 (細胞検査によるがん検診含む)
  • 免疫組織・細胞化学検査 (酵素抗体法・蛍光抗体法など)
  • 病理学的研究関連資料 (標本作製・染色・顕微鏡写真撮影など)
  • 至急生検組織検査 (消化器など / 48時間以内に組織検査報告します)
  • 術中迅速診断検査 (クリオスタットによるFrozen Section)

また、病理医不足が不足し、今後も減り続けている中で、検査センターや病院、診療所の病理診断支援を行い、サポートいたします。病理診断科標榜する保険医療機関「淀屋橋クアトロアールクリニック」との提携により、連携病理診断も可能となっておりますので、ぜひ病理診断の受託としてご利用下さい。

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