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尿の細胞診検査で診断できること・メリットについて解説

尿の細胞診検査

患者様の負担が少なく、精度の高い検査方法として、尿の細胞診検査があげられます。尿の細胞は自然に排出される尿を検査の材料とするため、患者様の負担がほとんどなく、何度も検査が可能です。
気軽にできる尿の細胞診検査ですが、膀胱がんや前立腺肥大症など、重篤な疾患を見つけることもあり、現代の医療には欠かせません。
では、尿の細胞診検査で診断できる疾患にはどんなものがあるのでしょうか。ここでは、尿の細胞診検査で診断できる疾患や、尿細胞診のメリットについて詳しくご紹介いたします。

尿の細胞診検査で診断できる疾患は?

尿の細胞診検査では、主に膀胱や腎盂などの異常を発見できます。主に排泄機能の異常の有無を調べる検査に適していますが、具体的にはどんな疾患の検査が可能なのでしょうか。この項目で詳しくご紹介いたします。

膀胱がん

膀胱は、下腹部で尿を溜める・出す機能を持ちます。膀胱の内側にある尿路上皮粘膜から発生した悪性腫瘍のことを「膀胱がん」と呼び、人口10万人あたり男性12.8人、女性2.8人の割合で発症します。男性に多く見られるがんです。
発見される要因は尿に血が混ざっている「血尿」から発見されることが多く、血尿の約20%に膀胱がんが発見されています。ただし、痛みや違和感を伴うことは少ないため、比較的見つかりにくいがんといえるでしょう。

急性・慢性膀胱炎

一般的な膀胱炎は「急性膀胱炎」と呼ばれます。膀胱炎は外部から尿道を通じて侵入した細菌の感染で起こり、多くは大腸菌によるものです。急性膀胱炎の治療を完治まで行わないと、慢性膀胱炎になる可能性が高くなります。
膀胱炎は女性に多く、男性にはあまり発症しない疾患で知られています。女性は男性に比べて尿道が短く、肛門や膣が尿道から近い箇所にあるため感染しやすくなっています。
トイレの頻度が多い、排尿後に痛みがある、残尿感が残るといった自覚症状があります。気になったら我慢せず、医師の診察を受けるようにしましょう。

単純性・複雑性腎盂腎炎

腎盂・腎杯・腎実質に及んだ細菌感染症を腎盂腎炎(じんうじんえん)と呼びます。発熱や背部痛、吐き気、嘔吐といった消化器の症状が出ることもあります。単純性腎盂腎炎は急激に発症しますが、複雑性腎盂腎炎は何らかの理由で尿の通り道の流れが悪くなり、二次的に腎盂腎炎を起こした場合を指します。
この「何らかの理由」は様々です。尿路結石や前立腺肥大症、尿路悪性腫瘍など複数の疾患が該当します。高齢者や糖尿病の患者様、抵抗力の弱い方は重症化し、敗血症になることもあり、油断できない疾患です。

急性・慢性前立腺炎

尿道から侵入した細菌が、前立腺に炎症を起こす疾患を「急性前立腺炎」と呼びます。前立腺が腫れて大きくなり、尿道や会陰部の痛み、排尿後に熱感を感じる、残尿感を感じ頻尿になるといった症状が出てきます。
また、発熱を伴うのも前立腺の特徴で、38度を超えるような発熱も起こります。前立腺の炎症が長期間続いている状態を「慢性前立腺炎」と呼び、全男性の25~50%が発症します。射精の前後に痛みを感じる、精液に血が混じることもあります。
慢性前立腺炎は心理的・精神的な問題があって発症することも多いため、心療内科、精神科との連携が必要になる場合もあります。

尿の細胞診検査のメリットについて解説

尿の細胞診には複数のメリットがあります。どのようなメリットがあるのか、この項目で簡単にご紹介いたします。

患者様の痛み・負担が少ない

身体から自然に排出されるものですので、患者様の痛みや負担はほとんどありません。排尿痛や残尿感がある場合は排尿時に痛みや負担がかかりますが、それほど大きなものではないため、抵抗のない患者様が多いようです。

検体採取が比較的容易で、繰り返し検査がしやすい

上記でご説明したように、尿は身体から自然に排出されるものですので、検体となる尿の採取は比較的容易です。また経過観察などで、繰り返し検査がしやすいのも大きなメリットです。

一度に多くの患者様の検査が可能

尿の細胞診は、定期検診でも多く検査されます。一度に多くの患者様の検査が可能で、疾患も見つけやすくなっています。

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