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病理診断の役割と重要視されている理由をご説明

病理診断ができる医師「病理医」は全国的に少ない人数となっていますが、その重要性は注目され始めています。多くの病気の確定には、病理医による病理診断が欠かせないためです。
では、病理診断にはどのような役割があり、なぜ昨今になって重要視されてきているのでしょうか。その詳細について詳しくご紹介いたします。

病理診断の「役割」をわかりやすく解説!

医療の世界において病理診断の「役割」とは一体何でしょうか。多くの病気(疾患)の確定要素として必要となってくる病理診断について、この項目でわかりやすくご紹介いたします。

臨床検査技師と共に3つの診断を行う

病理診断の役割の大半は3つの診断を行うことで占められます。組織診断、細胞診断、病理解剖の3つです。主に臨床検査技師により作成された標本を病理医が顕微鏡で観察し、どのような病気なのかを診断します。
特にがん等の「悪性かどうか」の判断は、患者様のその後の治療方針や予後(その病気がたどる経過や結果)予測に深く関与しているため、病理診断は「医師の行う仕事(医行為)である」とされています。
組織診断、細胞診断、病理解剖については、こちらのページで詳しく解説していますので、ぜひご参照下さい。
【関連記事】
病理診断の現場をご紹介!在籍するスタッフとその役割とは?

各科の医師と相談する・相談を受ける

病理診断の結果は「病理診断報告書」として依頼された科の主治医(臨床医)に渡されます。ただし、文章だけでは上手く伝わらない部分、また主治医(臨床医)が疑問に感じる部分などは、摘出した臓器の画像や顕微鏡で標本を観察しながら、その都度相談していきます。
特に手術中に切除し、取り出した検体は3Dの臓器を平面(2D)の標本として観察するため、病変がどの程度まで浸潤しているのか、また切除した部分がどのような変化をしているかは十分な相談と検討、把握が必要となるのです。
病理診断はこの相談や検討、把握するための重要な材料です。的確な病理診断があってこそ、確固たる診断が可能となります。

医療の「質」を維持・向上させる

近年は個人個人に合った医療を提供する「オーダーメイド医療」と呼ばれる医療や、遺伝子から体質や病状を判断して治療を行う「ゲノム医療」が主流となってきています。この2つと病理診断は切り離すことのできない関係です。
特にがん等の悪性腫瘍の場合、ゲノム医療を行うなら検体の解析や評価が適切に行われ、病理診断が確実なものでないと、必要なデータが集められず、適切な医療に結びつきません。
これからの医療の「質」を維持し、また向上させるために、病理診断は必要不可欠であるといえるでしょう。

病理診断が重要視されている理由は?

ここまで病理診断の役割についてご紹介してきました。さて、昨今になって病理診断が重要視されているのには、しっかりとした理由があります。その理由について、この項目でご紹介いたします。

がんの診断に、病理診断は欠かせない

日本では2人に1人がかかるといわれているがんには、病理診断が欠かせません。通常は健康診断やがん検診で、がんの疑いがある患者様に対し、医師が問診や触診、視診といった基本的な診察を行います。その後必要に応じて超音波(エコー)検査やレントゲン、CT・MRI等の画像診断、さらには血液検査、腫瘍マーカーの測定等が行われます。ただし、これだけではがんであるとの「確定診断」にはなりません。がんは必ず、病理医が顕微鏡を用いて作成した病理診断によって診断が確定します。すなわち、がんの診断に病理診断は欠かせない存在といえるのです。

どれぐらい縮小できる?話題の「縮小手術」は病理診断が鍵となる

上記で説明したがんは、切除手術による治療が大多数を占めます。その際、がんの病変は「完全な切除」ができる限り行われなければなりません。また、執刀医もそれを目指して手術を行います。
そのため、従来は患部だけではなくその周辺の組織も広範囲にわたって切除する「拡大手術」が行われてきました。これは、がん細胞の取り残しによる再発や転移を防ぐためのものです。
しかし、近年になってがんに対する考え方そのものが変わってきました。見た目の美しさ(審美性)や手術後の患者様のQOL(Quality of Life:生活の質)を重視し、必要最小限の切除だけにとどめる「縮小手術」へと方向転換されてきています。
この縮小手術の前提として、摘出した臓器を診断し「がん細胞の取り残しがない」という病理診断が必要です。手術による治療と、手術後の患者様のQOLを両立させるため、病理診断の存在は昨今大きな注目を浴びています。

「症例の情報交換」により、医療関係者間の知識や技術の向上につながる

病理診断は、様々な疾患の病態や診断方法・治療方法の理解を深め、医療関係者で広く共有することで、病理学や医療全体の質を高めることができます。
アメリカでは病理医のことを「Doctor’s doctor(医師のための医師)」と呼んでいます。臨床医として現場に臨む医師達の知識や技術を高められることからそう呼ばれていますが、病理診断は医療関係者全般の知識や技術の貢献となります。症例の情報交換を積極的に行うことは、医療関係者・患者様双方にとって大きなメリットとなるでしょう。

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