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【がんの病理診断】クラスとステージの違いをご説明

昨今はインターネット等で様々な情報が簡単に手に入ります。その分、重要な情報を混同して覚えてしまう方も増えてきているようです。特に目に付くのは、がんの病理診断における「クラス」と「ステージ」についてで、この2つは非常に紛らわしく、間違って覚えてしまう方も多く見受けられます。
そこで、今回は病理診断の現場からがんの「クラス」と「ステージ」の違いについて詳しくご紹介いたします。ただし、ここではあくまで一般論のご説明になりますので、個々での診断や治療法については必ず担当医や主治医にご相談下さい。

混同しがちな「クラス」と「ステージ」その違いは?

がんにおける「クラス」と「ステージ」は確かに紛らわしい部分が多くあります。しかも、ご自身やご家族がその説明を突然受けると、余計に混乱してしまうかもしれません。
しかし、全く意味が違うため、事前にしっかりと理解しておく必要があります。
基本的に「クラス」は体内にできている腫瘍が良性か悪性か、という判断基準に用います。正常組織や軽度の炎症と判断される「クラスⅠ」からがんを示す「クラスⅤ」があり、これらは細胞診で判断されます。
一方、「ステージ」はクラスで悪性のがん細胞があると判断された上で、その進行度を示す分類です。主に治療法を決めるために使われます。以下に詳細を解説しますので、ぜひご一読下さい。

がんにおける「クラス」と「ステージ」について詳しく解説

簡単にご紹介してきましたが、ここから本格的にがんの「クラス」と「ステージ」について詳しくご紹介いたします。似ているようで全く違うこの2つについて、ぜひ理解を深めて下さい。

クラス…腫瘍が悪性かどうかを判断する基準

上記でご説明した通り、腫瘍が良性または悪性どちらかを決めるもので、ほぼ全てが細胞診で判断されます。細胞診の中でも「パパニコロウ分類」と呼ばれる分類法を使い、腫瘍の悪性度をⅠ(1)~Ⅴ(5)で判断します。

クラスⅠ…正常細胞・または軽度の炎症(異常なし)
クラスⅡ…異常細胞は存在するが悪性とは認められない
クラスⅢa…悪性の疑いあり
クラスⅢb…強い悪性の疑いあり
クラスⅣ…悪性細胞の可能性が高い
クラスⅤ…悪性と断定できる異形細胞が存在する

基本的にクラスⅠとⅡは「良性の腫瘍である」と判断されます。Ⅲの段階では確定的な要素は見つからず、Ⅴになって始めて「がん細胞が存在する」となります。クラスⅢの場合は数ヶ月経過してから再度細胞診を行い、経過を観察することがほとんどです。
また、クラスⅣでも「悪性細胞の可能性が高い」という判断であり、がんであると確定したわけではありません。さらに精密な検査や経過観察が必要なこともあり、クラスだけでは判断できませんので、必ず担当医や主治医と綿密な相談が必要となります。

ステージ…腫瘍が悪性だった場合、その進行具合を見極める分類

グループでクラスの診断が行われた後、その悪性腫瘍がどの程度進行しているのかをステージで表します。具体的には「TNM分類」と呼ばれる分類法に基づいて、さらに0から4の5段階で表します。数字が多ければ多いほどがんが体内で進行している、という診断になります。

ステージ0…がん細胞は粘膜内に留まっている状態で、リンパ節には転移していない
ステージ1…がんの腫瘍が筋肉の層まで広がっているが、リンパ節には転移していない
ステージ2…リンパ節に転移はしていないが筋肉の層を超えている状態かつ、リンパ節に多少の転移が見られる
ステージ3…がんの腫瘍が浸潤(しんじゅん)し、リンパ節への転移も認められる
ステージ4…既にがんが離れた他の臓器へ転移している

がんは何かと「ステージ」が注目され、基本的には早期発見と早期治療が大切だと言われています。しかし、がんが見つかった時には、既にそのがん細胞ができてから10年が経過していると考えられます。
例えば、セカンドオピニオンを受けたために2~3ヶ月治療が遅くなったからといって病状がすぐに悪化するようなものではなく、反対に2~3ヶ月で症状が悪化するような強いがんの場合、早急に治療を行っても助かる可能性は非常に低くなります。
そのため、昨今の医療現場においては、ステージという名前や状態だけにこだわらず、信頼できる主治医を見つけること、さらには自分に合った治療を見極める方がQOL(クオリティオブライフ・生活の質)の面でもより良いと考えられています。
「多くの信頼できる意見や知識を元にして、主治医と共に治療や今後のことを考えていく」というのが一般的な方法になってきているのが現状です。

細胞診はクラスの判断において重要な要素です

上記でご説明したように、ステージを決めステージのクラスを判断するのに、細胞診は非常に重要な検査の1つです。細胞診とは、身体の中にある病変部分や粘液、痰、腹水、尿などに含まれる細胞をガラスの板に吹き付けて染色し、顕微鏡で検査、診断することを指します。細胞診を行うことで細胞の核の形や大きさがわかり、がん細胞か正常な細胞かの判断が可能となります。細胞診はがんかどうかを見極める境界線でもあり、今後の患者様の人生を左右する重要な検査といえるでしょう。
信頼できる細胞検査士や病理専門医(病理医)のもと、慎重な検査と診断が求められます。

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