近年、大きく注目され需要を伸ばしているのが「術中迅速病理診断」です。この診断を行うことで、手術中でも適切な手術方法を選択でき、患者様の医療費軽減やQOLの向上につながります。
そこで、今回は術中迅速病理診断の詳細やメリット、通常の病理組織検査との違い、また弊社リバース大阪パソロジーセンターが実施している術中迅速病理診断を詳しくご紹介いたします。
病理診断には「術中迅速病理診断」と通常の「病理組織検査」の2つがあります。この2つは具体的にどう違うのか、わかりやすくご説明いたします。
術中迅速病理診断とは、手術中の限られた時間内に、身体の病変が腫瘍なのか違うのか、腫瘍であればそれが良性か悪性か等を調べたり、がんの転移や病変の取り残しがないか等について「病理組織学」という学問に基づいた調査を行うことを指します。
術中迅速病理診断は、組織を急速に凍結させることにより短時間で標本を作製し、診断を行います。この手法を用いることで、手術中の方法や治療の範囲を変えたり、より適切な手術方法に変えることができます。
通常の病理組織検査は、結果が出るまで2~3日かかってしまいます。病理組織検査の手順は、以下の通りです。
この方法は、病理組織の「大きさ」にも大きく左右されます。小されば翌日に結果が出せることもありますが、通常は2~3日、大きいものだと1週間以上かかってしまうこともあります。
この方法に対し、術中迅速病理診断の場合は調べたい検体を液体窒素で急速に冷凍し、凍ったまま組織を薄く切り、染色を施して調べます。
手術室から検体が検査室に届き、手術者に結果を報告するまで10分~15分という短さです。
ただし、早い分正確性は通常の病理組織検査に劣りますので、病理診断は非常に難しいといえます。
このような難しい診断を行うために「病理医」という専門医が存在しますが、病理医でも判断が難しい場合もあります。
その場合は、間違った診断をして誤った手術方法を取らないよう診断を保留し、後日通常の病理組織検査で判定するパターンもあります。
術中迅速病理診断と病理組織検査の違いをご理解いただけたでしょうか。さらに、術中迅速病理診断には多くのメリットがあります。そのメリットを簡単にご紹介いたします。
腫瘍が迅速病理診断により悪性であれば切除する必要がありますが、良性であれば大がかりな手術を行う必要はなくなります。患者様の負担が大幅に軽減される大きなメリットです。
手術中に良性か悪性かを判断できれば手術回数そのものも減少します。医療費の軽減が期待できる部分です。
迅速病理診断は手術中に悪性腫瘍の「取り残し」がないかどうかも判断できます。取り残しがないことを確認することで再発する可能性が低くなり、医療費や身体の負担の軽減、QOLの向上が期待できます。
弊社大阪パソロジーセンターは、病医院様からの検査委託を始め、大学及び企業の研究施設等から様々なご要望に対し、経験豊富なスタッフがフレキシブルに対応いたします。
また、淀屋橋クアトロアールクリニックと提携していますので、連携病理診断や術中迅速病理診断もご利用いただけます。その内容について、詳しくご紹介いたします。
近年「病理医」の不足が問題視されています。今後も減り続けていくと考えられている中で、当センターは病院・診療所の病理診断支援を行い、サポートいたします。
衛生検査所「リバース大阪パソロジーセンター」と病理診断科を標榜する保険医療機関「淀屋橋クアトロアールクリニック」との提携により、連携病理診断が可能です。
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当センターは「迅速かつ正確な病理診断」で標本作成の難しい病院や診療所に対して病理診断受託をいたします。術中迅速病理診断は、患者様の今後を決める非常に大切な要素です。
手術中の限られた時間内に、迅速に診断することで治療のクオリティ向上に貢献いたします。
術中迅速病理診断のご相談、ご依頼は、ぜひリバース大阪パソロジーセンターまでご相談下さい。