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【大腸ポリープの病理学的検査】大腸がん診断の流れ

大腸がんは日本人がかかるがんの種類でも大半を占め、非常にポピュラーな疾患となっています。ただし、自覚症状がないことも多く、気がついたらがんのステージも大きく進んでいた…ということも多くあります。早期発見には、定期的な検査が不可欠です。
そこで、今回は大腸がんについての詳細や症状、検査の方法等についてご紹介いたします。特に、がんにとって「病理学的検査」は重要な要素です。そちらについても詳しく解説いたします。

大腸がんとは?

大腸がんとは、大腸の最も内側にある粘膜内に発生するがんです。良性のポリープだったものが大きくなる過程でがん化し発生するものと、粘膜の正常な細胞が直接がん細胞に変化してがん化する2種類が多くなっています。
大腸がんは近年増加しており、死亡数は肺がんに次いで第2位、女性は第1位です。大腸がん自体は元々日本人には少なかったのですが、食生活の変化と共に、大腸がんが増加していっていると考えられています。

がんの発生部位別の主な症状

大腸ガンは複数の部位に分けられ、がんが発生した際の症状も変わってきます。どのように変わってくるのか、大腸の部位別にご紹介いたします。

1.結腸の右半分(盲腸・上行結腸・横行結腸等)
比較的腸管が太く、便も液状でありこの段階で異常を自覚することは少ない箇所です。また、出血したとしても排便までに時間がかかるため、血便も自覚しにくい傾向にあります。ただし、一旦がんが発生すると大きくなり、腹部のしこりや出血による貧血が起こり、全身の倦怠感が出始めて初めて気づくことも多くあります。

2.結腸の左半分(下行結腸・S状結腸等)
がんが大きくなり、腸管の内腔(腸の内側にある空間)が狭くなると、便が通りにくくなって、便秘や下痢等の便通異常が見られるようになります。また、がんがさらに大きくなると食べ物の通過が難しく、腹痛や腸閉塞といった症状が出ることもあります。

3.直腸
直腸は最も肛門に近い部位であり、直腸がんは血便で発見されることが多い疾患です。さらにがんが大きくなり、直腸内が狭くなると、便が小さくなる、残便感等の症状が見られることもあります。

大腸がんの検査について

大腸がんは様々な過程を得て確定診断が出ます。確定診断が出るまでには様々な検査が必要になるのですが、どのような種類があるのでしょうか。ここでは、大腸がんの検査内容について詳しくご紹介いたします。

便潜血反応検査

自覚症状のない大腸がんを見つけるために有効な検査です。主に健康診断で行われています。
便潜血反応検査は腫瘍からの微細な出血を検出する検査である、基本的には2日に分けて便の採取を行います。検査結果で出血が検出されたら「要精検」となり、大腸内視鏡検査で精査する必要があります。また、便潜血反応検査は1回のみではがんが見つからないことも多くありますので、毎年の検査が必要です。

注腸検査

肛門から細い管を挿入し、造影剤(バリウム)と空気を入れて、大腸内をX線で撮影していきます。大腸の壁にできた病変やがんの位置、大きさ、形等を判断するのに適した検査です。

大腸内視鏡検査

内視鏡を肛門から挿入し、直腸から盲腸までの大腸全体を詳しく観察する検査方法です。病変があれば、その一部または病変全体を採取して病理検査へと移行します。最新鋭の内視鏡は、病変部の表面を最大100倍まで拡大できる等高性能な機器が増えてきているため、検査の数は増えています。
さらに、病変が大腸粘膜の表面(粘膜内または粘膜下層の浅い部分)だけであれば、内視鏡で切除手術を行うことも可能であり、患者の負担は最小限に済みます。

病理検査

内視鏡で採取した組織を薄切りにし、プレパラートに乗せて顕微鏡で観察をする検査です。この検査で、がんかどうかの確定診断が下されます。内視鏡を使ってがんを切除した場合には、病理検査で

※がんが取り切れているか
※がんの深さ(進達度)はどうか
※がんが静脈やリンパ管に達していないか
※がん組織の種類

などを判断し、追加の外科治療等が必要かどうかを判断していきます。

その他・がんの広がりや転移を調べる検査

大腸がんとその周囲の臓器の位置関係、がんの広がり具合、リンパ節の転移の有無を詳細に調べるため、CT検査やMRI検査といった画像検査を行います。さらに必要に応じて、腹部超音波検査、PET検査等の画像検査も行います。

大腸ガンの病理学的検査は「確定診断」となる重要な要素です

大腸がんを含めたがんの診断は、ほとんどの場合において病理検査が必要となります。病理検査では、がんの一部(組織)を採取した後に、病理医専門医が顕微鏡で観察し確定診断を行います。
病理検査では、顕微鏡を用いてがん組織を40倍~400倍の倍率で観察し、どのような変化が起きているかを確認する検査方法が一般的です。また、がんに含まれているタンパク質の種類や分布を調べる免疫染色と呼ばれる技術や、特定のがんに含まれている遺伝子異常の有無を調べる方法を組み合わせることで、がんの種類を詳しく特定することもできます。病理診断にかかる期間は数日から2週間程度の期間を必要としますが、この段階で正確な診断を得ることが、この後に始められる治療の成否を大きく左右します。
病理学的検査は「がんの確定申告」「今後の治療方針」という重大な要素を決めるために必要不可欠な検査といえるでしょう。

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