2023年10月19日
病理学的検査とは？検査の種類や特徴について解説
患者様が病院に来院されると、様々な検査が行われます。この検査は、適切な診断と治療のためには欠かせないものです。特に「病理学的検査」と呼ばれる検査は、病気の初期診断や確定診断まで幅広く使われている、非常に重要な検査です。
しかし、実際にはどんな検査があるのか、あまりご存じないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は病理学的検査の概要とその種類、さらには弊社リバース大阪パソロジーセンターが承っている病理学検査について詳しくご紹介いたします。
病理学的検査とは？
臓器や皮膚、骨といった身体のどこかに発生した病気の一部の組織を採取し、それを標本にして肉眼や顕微鏡で観察することを「病理学的検査」と呼びます。
身体の外から見るだけではなく、細胞レベルでじっくりと調べることにより、病気の原因や進行の度合い、「予後」と呼ばれる今後の見通しの推定、治療効果の判定を行います。
目的や採取した検体の種類により、以下のような検査に分けられます。
病理学的検査の種類
病理学的検査には、いくつもの種類があります。どれも患者様へ高品質な医療を提供するためには欠かせない検査です。その病理学的検査について、項目ごとに分けて詳しくご紹介いたします。
細胞診検査
病気になっている部分や異常が見られる・疑われる部分から細胞を採取してスライドガラスに塗り、病変があるかどうかを調べます。スライドガラスに塗った細胞を染色し、標本にすることで異常な細胞を見つけ出すことも可能です。「細胞検査士」という資格保有者が異常な細胞を見つけ出し、病理医または細胞診専門医が判定や診断を行います。
細胞診検査は、非常に幅広い材料に対して使われます。現在では子宮がん検診をはじめ、痰や尿、乳腺や甲状腺にも使われています。病変の初期や早期がんの発見には簡易的でありながら非常に有効な手段であるとされています。
病理組織検査
内視鏡や手術によって摘出された組織そのものを調べる検査です。種類により「生検」と「手術材料」に分けられます。
1.生検
気管支鏡などにより採取された組織片から、病気の種類を診断する検査です。この検査で病名は確定となり、さらにはどのような状態かも組織片から見えるため、今後の治療方法を決めるのに非常に重要な情報となります。
2.手術材料
内視鏡や手術などにより取り出された臓器や組織を「パラフィン」と呼ばれる物質で固め、1000分の数ミリという薄さに切り取ります。さらに染色して半永久的な標本に仕上げ、病理医が顕微鏡で観察して、良性か悪性かの判断や診断名、病変の広がり具合、治療効果や予後の判定を行います。必要に応じて染色を行い、さらなる診断に役立てます。診断結果は主治医に届けられ、的確な診断と治療の礎となります。
免疫組織・細胞化学検査
ある特定のタンパク質が免疫組織や細胞に含まれているかどうかを調べる検査方法です。タンパク質が過剰に含まれていると、腫瘍（がん）の形成や転移、感染や炎症反応が起こっている可能性が高くなります。また、タンパク質の種類や発現量によっては治療方針の指針となることもあり、病気に対して重要な検査の1つといえます。
術中迅速病理診断
手術や内視鏡手術の最中に、患者様から切り取って採取した部位を、手術中にその場で調べることを「術中迅速病理診断」と呼びます。
通常の病理診断は、検査結果が出るまで2～3日程度、病変の部位や大きさによっては1週間程度の期間が必要になりますが、術中迅速病理診断の場合は採取した部位を液体窒素で凍結して標本にするという特殊な方法を採用するため、すぐに状態を確認することができます。
現在行っている手術が的確なものか、また病変は他にないか、転移はしていないかなどを調べることができ、身体の負担の軽減やQOLの向上も気体できます。
病理解剖
不幸にして亡くなってしまった患者様に対し、ご遺族の承諾のもとでご遺体を解剖することを「病理解剖」と呼びます。生前の診断や治療が正しく行われていたか、さらには病気の進行具合や治療の効果の確認、死因の特定も行われます。
病理解剖の結果は1ヶ月～数ヶ月程度で「診断書」としてまとめられ、主治医を通してご遺族が結果を聞くことができます。また、病理解剖の結果は、今後の治療や医療の発展に役立てられます。
弊社リバース大阪パソロジーセンターについて
弊社リバース大阪パソロジーセンターは、病理学的検査を主に行う検査センターです。
（大阪市登録衛生検査所第40号）
病院・クリニック様からの検査委託を始め、大学及び研究施設等からの様々なご要望に対しても、経験豊富なスタッフが迅速かつ的確に対応いたします。また、病理診断科を標榜している淀屋橋クアトロアールクリニックと提携しておりますので、連携病理診断・術中病理診断もご利用いただけるシステムになっております。
病理学的検査や連携病理診断、術中迅速診断のことなら、ぜひ弊社リバース大阪パソロジーセンターまでお気軽にご相談下さいませ。