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G6PD欠損症は女性より男性に多い?その理由を遺伝学的にご説明

「G6PD欠損症検査」は、高濃度ビタミンC点滴療法を受ける際に必ず受ける必要のある検査です。しかし、G6PD欠損症自体をご存じないという方も多く、また女性より男性に多いというデータがあることもまだ周知されるにはいたっていないようです。
そこで、今回はG6PD欠損症がなぜ女性より男性に多いのか、遺伝子学を取り入れながらわかりやすくご紹介いたします。また、弊社IVC分析センターが行っているG6PD欠損症検査についても触れていますので、ぜひ最後までご一読下さい。

男性と女性の遺伝子はどう違う?

男性と女性の「遺伝子」が異なる、ということをご存じの方は多いでしょう。しかし、何がどう具体的に違うのか?といわれると疑問を覚える方も多いのではないでしょうか。
男性と女性の遺伝子は、たった2つの遺伝子パターンだけで変わってきます。しかし、その2つである「X型」「Y型」が重要な役割を持つのです。その遺伝子について、詳しくご紹介いたします。
H3:「性別の決定」は2種類の遺伝情報で決まる?!
人間が持つ遺伝情報のうち、性別に結果に関わる情報を持つものを「性染色体」と呼びます。この性染色体には「X型」と「Y型」があり、「XY」のペアで男性になり、「XX」で女性になります。
この染色体は全く違うもので、Y染色体の長さはX染色体の3分の1、さらに子供の性別を決める「性決定遺伝子」はY染色体(男性)にしかありません。
H3:Y染色体とX染色体の役割
Y染色体は主に性別を決定するという大きな役割がありますが、X染色体にはどのような役割があるのでしょうか。
X染色体には「生存」に必須な遺伝子が数多く組み込まれています。神経細胞のネットワーク構築や情報伝達、免疫機能の関連遺伝子、血液に関する情報もX染色体に含まれます。

G6PD欠損症は女性より男性に多い!その理由は?

G6PD欠損症は遺伝によるものです。その遺伝形式は性染色体により、X染色体上にその遺伝子があることがわかっています。
女性の場合、染色体は「XX」で、片方の染色体に異常があってももう片方が異常をカバーしてくれます。しかし、男性の場合は「XY」となり、Xのスペアがありません。そのため、遺伝疾患として男性の方がG6PD欠損症を発症しやすくなるのです。これらのことを総合して「X連鎖性劣性遺伝(伴性遺伝)」と呼ばれます。
ただし、女性が全く発症しないわけではありません。約10%の女性がG6PD欠損症を遺伝的に所持しているため、必要に応じて全ての方にG6PD欠損症検査が必要となるのです。

遺伝性のG6PD欠損症は、原因の解明が進んでいます

G6PD欠損症は、17種類の「酵素異常症」が遺伝子レベルでできないことが原因であることがわかってきています。酵素の分解が上手くできない、また酵素を活性化できない、不安定なままでしか身体に取り込めないため、血液中にある赤血球の代謝に障害をきたすことで、血液が本来の役割を果たせなくなるのです。
結果として「溶血性貧血」となってしまい、めまいや立ちくらみ、身体のふらつき、息切れ等の症状が出るようになります。

G6PD欠損症の治療は?

基本的には副腎皮質ホルモン(ステロイド)の投与が治療の中心となります。ただし、何よりも溶血性貧血を起こすリスクを避け、予防することが大前提です。
それでも溶血性貧血を起こした場合には、十分な補液や輸血による補充を行うことで血液の正常化を図ります。また、G6PD欠損症は寒さや冷たさが引き金になる「寒冷刺激」による貧血が起こることもあります。寒さ対策を十分に行うことも必要だといえるでしょう。

高濃度ビタミンC点滴療法の際には、必ずG6PD欠損症検査を受けましょう

近年、多くの効果があるとしてクリニックが取り入れている「高濃度ビタミンC点滴療法」には、上記で解説したG6PD欠損症ではないことが大前提とされています。
G6PD欠損症の方が高濃度ビタミンC点滴療法を受けると、高確率で溶血性貧血を発症するためです。
しかし、G6PD欠損症は遺伝性な上、日常生活ではほとんど発症しないため、G6PD欠損症の検査が必要となります。
検査自体で、患者様の大きな負担になることはありません。少量の血液を採取することで、G6PD欠損症の因子を持っているかどうかが判定できます。
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まとめ:弊社IVC分析センターでは、G6PD欠損症検査を積極的に行っています!

弊社IVC分析センターでは「G6PD活性定量検査キット」と呼ばれるG6PD欠損症検査用のキットを点滴療法研究会と共同開発し、多くの医療機関に提供しています。その信頼性は非常に高く、多くの医療関係者から評価をいただいております。
特に近年高濃度ビタミンC点滴療法は国内で普及が進む治療方法の一つとなっています。それに応じて、G6PD欠損症検査も合わせて必要な検査だといえるでしょう。
また、IVC分析センターでは、必ず明確な数値をご提示し、検査専門医の診断と共に、安全性を示すための診断書・公文書となるエビデンスを提供しています。
G6PD欠損症検査をご検討の際には、ぜひ弊社IVC分析センターをご検討下さい。

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