細胞診検査とは？検査内容や検体の種類についてご説明

「細胞診検査」と呼ばれる検査をご存じでしょうか？身体の中にある細胞を採取して顕微鏡で観察し、病気の早期発見や治療、確定診断等に使われる、近年多く使われている検査方法です。
では、どのように細胞は採取され、検査や診断が行われるのでしょうか？今回は細胞診検査の詳細な内容について詳しくご紹介いたします。

細胞診検査とは？

身体の粘膜や粘液、痰、甲状腺、乳腺等、身体の中にある細胞を顕微鏡で観察し、細胞がどのような状態になっているのかを調べる検査のことを指します。採取した細胞をスライドガラスに塗りつけ、「パパニコロウ染色」と呼ばれる方法で細胞を染色して見やすくした後、顕微鏡で観察するのが基本的な方法です。この検査で、細胞が正常か、それとも悪性なのかを判断することができます。

細胞の採取方法

人の身体の中に約60兆個もある細胞を採取する方法は様々なものがあります。この項目では、細胞をどのように人体から採取するのか、その採取方法についてご紹介いたします。

剥離（はくり）細胞診

尿、痰、胸水、腹水、胆汁、髄液といった「身体から剥がれ落ちた」細胞を集めて検査する方法です。主にガン細胞（悪性細胞）の検査に行われます。一般的にガン細胞は正常細胞に比べて身体が剥がれ落ちやすい仕組みになっているため、一部の部位の検査に効果的です。ただし、細胞の形が変わってしまう（変成）ことがあり、判定が難しくなる場合があります。

穿刺吸引（せんしきゅういん）細胞診

主に甲状腺や乳腺、リンパ節等の病変部に、採血と同じ程度の太さの針を刺し、細胞を吸引して採取した後調べる方法です。主に身体にできたこぶや固まりである「腫瘤」が悪性か良性か等の判断基準に使われます。一例として、乳腺の場合はシコリ等の病変部分の位置を超音波で確認しながら針を刺して吸引します。

擦過（さっか）細胞診

子宮頸部や気管支、口の中（口腔）に使われます。病変部を綿棒やブラシ、ヘラ等で擦って細胞を採取し
検査します。

細胞診検査に欠かせない「細胞検査士」とは？

日本で約6000人が所持する、細胞専門の検査士です。国際免許もあり、世界中で必要とされている職業ですが、数が少ないのが現状です。細胞検査士は、採取された細胞を顕微鏡で観察し、「ガン細胞」や「良性ではない不明な細胞」がないかどうか隅々までチェックします。異常がないと判断されると、細胞検査士が「陰性」として報告します。ガン細胞やその他の不明な細胞があった場合には、問題の細胞の位置をマークし、推定される診断や意見を記載して再度細胞診専門医に顕微鏡で確認してもらいます。
最終的な診断は細胞診専門医が行い、報告書を作成して主治医に手渡される手順となります。

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