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【病理学的検査の順序】がんの診断を行う場合の流れをご説明

1981年以降、日本人の死因第一位を維持し、さらには2人に1人がなるという「がん」。非常に身近な存在でありながら、完治が非常に難しく、検査や治療にも膨大な時間と費用がかかります。
がんは細胞の異常が根本的な原因ですので、がんだと確定するためには細胞から調べなければなりません。その際に必ず使用されるのが「病理学的検査」と呼ばれる検査です。がんの診断を行う際には必要不可欠な検査ですが、どのような流れで行われるのでしょうか。今回は病理学的検査の見地から、がんの診断について詳しくご紹介いたします。

がん診断を「確定」させる、長い検査の旅路

がんの検査と聞くと「画像検査」のイメージが強い方も多いのではないでしょうか。現在、がんを見つけるための画像検査には、部位によって様々なものがあります。超音波検査、MRI、CT、PET検査等は、聞いたことのある方も多いはずです。

まずは上記のような検査でがんかどうか「疑いのある」部分を発見することから始まります。さらにそれががんであるかどうかは、細胞の塊である組織を特殊な方法で採取し、がん細胞であることや、がんの組織の一部であることを確認する必要があります。これを「病理学的検査」と呼びます。
この検査は必ず病理医が行い、専門的見地から様々な方法で観察、検討をした上でやっと「がんである」という診断が下ります。

このように、一口で「がんの診断」「確定診断」といっても、そこまでには非常に長い過程があり、慎重かつ丁寧な検査と確認作業が行われているのです。
がんと確定してからの治療ももちろんですが、がん診断を「確定させる」にも、長い検査が必要となってきます。焦らず、慌てず、確実に検査を受け、徐々に前進していくことが非常に大切です。

がんの診断を病理学的に検査する際の順序は?

がんの疑いがある細胞を「がんである」と診断するための病理学的検査にはいくつかありますが、その検査にも順序があります。この項目では、がんを病理学的に検査する際の順序について詳しくご紹介いたします。

1.吸引細胞診

主に採血等に使用される注射針を使って、組織から細胞を吸い出して調べる検査方法です。細胞をある程度簡単に採取できるものの、がん細胞の周囲の組織に滲んでいるかどうか(浸潤)まではわからないなど、取得できる情報は限られます。患者様に対する負担が非常に軽いのがメリットで、基本的には即日帰宅が可能です。また、繰り返しの検査もできるため、検査画像の状況に応じて数回に分けて採取することもあります。判断が難しいとなると、次の針生検に移行します。

2.針生検

特殊な形状をした針を用い、針の中にある空白に組織を小さく切り取って採取します。細胞ではなく、組織の一部を切り取る検査のため、細胞診よりも正確な判断が可能です。針生検を行う際には細胞診の時よりも太い針が必要になるため、局所麻酔をして採取します。
ただし、診断が容易な反面、血液を止まりにくくする薬や血液の循環を良くする薬を服用していると一時的に服用を中止する必要があります。また、細胞診よりも情報量が多い反面、悪性度が低いがんの場合は針生検でも診断が難しいことがあり、確定させる必要がある時は次の吸引式組織生検に移行することもあります。

3.吸引式組織生検

皮膚を数ミリ切開し、細いパイプ状の針をがんに突き刺して、パイプの中にがん組織を吸い込みます。吸い込んだ組織は、太さ2~3mm、長さ1cm程度の大きさになり、それを切り取った上で標本を作成し、病理学的検査を行います。
がんの確定検査において確実性は増しますが、針が太くなる分出血がしやすくなったり、保険適用内でも負担が大きくなります。特に吸引式組織生検はほぼ手術に近い方法と認識されるため、基本的には他の検査よりも高額です。その分、診断の難しい病変やがんの判別が難しいものでも比較的確定診断が出やすい方法となります。

がんの診断は難しい、だからこそ慎重に慎重を重ねた検査が大切です

平成19年4月より政府から「がん対策基本法」が施行されているものの、がんの罹患率は年々上昇傾向にあります。
参考:がん対策基本法について

検診等で発見されたいわゆる「早期がん」でも、病理検査を行って治療しても再発すること、しないことがあります。がん細胞は多様性があり、患者様一人一人のがん細胞が全て異なる性質を持つといっても過言ではありません。だからこそ、慎重に慎重を重ねて検査を行い、適切な治療を受けることが、患者様の人生を左右する重要な要素となります。
そのがん検査において、病理学的検査は大きなウエイトを占めます。どのようながんなのか、悪性度はどの程度なのか、どの程度進行しているのか…多くの情報が得られ、治療に役立てられるのが病理学的検査です。ぜひとも多くの方に、病理学的検査の詳細や重要性をご理解いただければ幸いです。

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弊社リバース大阪パソロジーセンターは、病理学的検査を主に行う検査センター(大阪市登録衛生検査所第40号)です。病院・クリニック様からの検査委託を始め、大学及び企業の研究施設等からもご要望をいただいております。弊社で請け負っている病理学的検査は以下の通りです。

※病理組織検査 (手術摘出材料・一般生検材料・針生検・剖検材料・実験動物材料)
※細胞診検査 (細胞検査によるがん検診含む)
※免疫組織・細胞化学検査 (酵素抗体法・蛍光抗体法など)
※病理学的研究関連資料 (標本作製・染色・顕微鏡写真撮影など)
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